<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:日本2-1コロンビア>◇1次リーグH組◇19日◇サランスク

 勝ったことは本当によかった。でも、采配で勝ったわけじゃない。試合開始早々にPK獲得、相手の退場というプレゼントがあったから勝てた。喜んでばかりでなく、冷静に反省することが必要だ。数的優位の中でも前半は攻められた。突き放さなければならない時間帯に、同点に追いつかれたのが問題だ。長谷部と川島の衰えがまた出た。

 後半、万全の状態でないロドリゲスが出てきて、むしろ助かった。球を追わないから相手は9人になったも同然で、3つ目のハンディをもらったようなもの。2-1と勝ち越して、手堅くなりたいのはわかるが、相手が消耗したところで、もう1点欲しかった。1次リーグ突破の可能性が第3戦までもつれ、得失点差の争いになった時に響かねばいいが…。

 セネガル戦で勝ち点を取らないと、この勝利の意味もなくなる。次はまたメンバーを代えざるを得ないだろう。柴崎はどこか痛めたようだし、乾も香川も直前の親善試合パラグアイ戦のようには動けなかった。

 PK獲得のきっかけとなった大迫のシュートは、本来決めなきゃいけないものだ。でもゴールに向かってプレーすればプレゼントがもらえるかもしれないということ。もっともっと勝負に出てほしい。(日刊スポーツ評論家)