日本代表の森保一監督(49)が兼任で率いる東京五輪世代のU-21(21歳以下)日本代表はU-23ベトナム代表に0-1で敗れ、アジア大会で初黒星。D組2位での決勝トーナメント進出となった。

 森保監督は試合後、厳しい面持ちで記者会見に出席した。「試合の入りのところで相手にミスから得点を与えて、勢いをつかせて難しい展開になった」。開始3分にMF神谷優太のトラップミスが相手に奪われ、そのまま失点。「(ミスは)1人の責任ではない」とし、相手のプレスに対してフォローが遅れたチーム全体に問題があると指摘した。また「(自身の)働きかけがもっとうまくいっていれば入りから選手がチャレンジする姿勢をもてたかなと自分自身反省している」と続けた。

 相手は1月のU-23アジア選手権で準優勝した強敵。同大会で8強止まりだった日本にとっては成長を示すための一戦でもあった。後半は盛り返したものの、途中出場のFW上田綺世(あやせ)がGKをかわしてのシュートを決めきれないなど決定力に欠いた。

 神谷は前半までで交代させた。「はがゆい思いをしたところからどういうリバウンドメンタリティーを見せられるか。今の選手はそこにものびしろがある」。後半も出場させて巻き返すチャンスを与えることは簡単だが、あくまで目指すのは東京五輪。選手になにくそ根性を培わせるためにも、あえて厳しいメッセージを送った。

 決勝トーナメント1回戦の相手はマレーシアに決まった。1次リーグではトットナムFW孫興民をオーバーエージで起用した韓国を2-1で破る金星を挙げた不気味な存在。指揮官は「強い韓国に勝ったマレーシア。我々も最善の準備をして戦いたい」と気を引き締めた。