森保一監督(49)率いるU-21(21歳以下)日本代表が、U-23ベトナム代表に0-1で敗れた。

 すでに決勝トーナメント(T)進出を決めていたが、D組2位での通過となった。前半3分に先制点を許し、最後までゴールが奪えず。森保監督はアグレッシブさを今後の改善点に挙げた。24日の決勝T1回戦はU-23マレーシア代表と対戦する。

 ハーフタイムのロッカールームに森保監督のゲキが響いた。「もっと勝負にこだわろう」。開始3分にMF神谷のトラップミスからMFハイに先制され、押され気味のまま前半終了。選手にはっぱをかけた。積極的にプレスをかけるベトナム相手に後手に回った。「相手の圧力を感じたからこそ、どういう(プレーの)選択をするのか今日は見たい思いだった」。

 だからこそ、あえて厳しい言葉を選んだ。「サッカーはそもそもボールを奪い合うスポーツ。ベースには球際の戦いがある」。日本人選手の技術の高さはある程度計算しつつも、競技の根本である奪い合いを避けていては生かせない。後半に盛り返したことは「気迫の部分でギアが上がった」と評価しつつ「幸いなことは、決勝Tがすでに決まっていたこと」と、選手に奮起を促した。

 ミスをした神谷を前半で交代させた。「はがゆい思いをしたあとにどれだけリバウンドメンタリティーを見せられるか。今の若い選手はまだまだそこにのびしろがある」。東京オリンピックに向けて、すべての選手は競争の中にいる。若い選手にはまだ、悔しさを力に変える“なにくそ根性”が十分とは言えない。はい上がる経験を与えたい指揮官の思いがにじんだ。

 決勝T1回戦でぶつかるマレーシアは、プレミアリーグのトットナムFW孫興民をオーバーエージで起用する韓国を2-1で下している。「今日のことを教訓にする。韓国に勝った強いマレーシア。我々も最善の準備をする」と森保監督。ここから先は、楽な試合はない。【岡崎悠利】