2年ぶりに日本代表に復帰したMF今野泰幸(34=G大阪)が、W杯アジア最終予選UAE戦で強烈なインパクトを残した。いきなり先発に抜てきされ、1-0とリードして迎えた後半6分。FW久保からの右クロスをファーサイドで受けると、胸トラップで相手をかわして右足で押し込んだ。相手GKの股を抜く値千金の追加点。W杯出場を争うライバルを敵地で破る原動力になった。

 34歳57日でのゴールは、93年5月の1次予選スリランカ戦で当時36歳85日のMFのラモス瑠偉(V川崎)が得点したのに次ぐ、W杯予選歴代2位の年長弾になった。

 得点場面について今野は「冷静に胸トラップしたけど、その後は焦りました。『どうしよう』って焦っちゃった。とにかくゴールの枠を狙おうと思って打ったら入った。出来すぎです。奇跡」と興奮気味に話した。

 守備でも相手の攻撃を完全に封じ込めた。司令塔O・アブドゥルラフマンをつぶし、得点チャンスを与えず。「必死でしたね。試合前からミーティングもたくさんした。オマル(O・アブドゥルラフマン)は技術が相当に高い。不安しかなかった」と漏らした。

 「勝ち点3を持ち帰ることが1番。100点満点です」。

 オマーンとの国境に近い、砂漠に囲まれたオアシスにある完全アウェーの敵地。2度のW杯を経験しベテランが、日本を勝利に導いた。