【リエージュ(ベルギー)21日】半年ぶりに復帰した日本代表FW本田圭佑(31=パチューカ)が信じる道を突き進む。明日23日のマリ代表との国際親善試合に向け、ほぼ非公開で練習した。W杯(ワールドカップ)最終23人のメンバー入りへ、当落線上とみられるが「選ばれるためだけのW杯なんて何の意味もない」と言い放った。あくまで目標はW杯優勝、W杯で勝つこと。それを突き詰める。

 とっくに腹はくくった。というより、本田にとっては当然の姿勢だ。半年ぶりの復帰。厳格で頑固なハリルホジッチ監督からは、メンバー発表会見で「このチャンスをつかんでほしい」と突き放された。

 だが、どんな状況でも目標は見失っていない。いつも夢、大目標から逆算して生きてきた。今もそう。4年前、惨敗したW杯ブラジル大会後は口に出さず胸に秘めたままの「W杯優勝」。このためにサッカーをし、日本代表にいる。

 「自分の目的がW杯だというゴールを設定した場合、どういう形でこの3度目のW杯を迎えるべきなのか。これは、選ばれる選ばれないは度外視して、選ばれるためだけのW杯なんて何の意味もない。それが議論されすぎているけど、いつも自分はW杯で勝つために今までやってきたし、そのスタイルはこれからも変えない。それで選ばれなくても、何の後悔もない。ただ、選ばれるためだけのこの3月の2試合でもない」

 パチューカではW杯イヤーの18年に入り、リーグ11試合で4得点5アシストと結果を出している。「パチューカでも、自分がこの日本代表に欠けているものを補える、付加価値を与えられるのは何なのか、それを自問自答してトレーニングしている」。選外が続いても片時も日本を勝たせることを忘れたことなどない。

 個の力でチームに違いをもたらす、その考えも変わらない。「晩年の選手がこれだけ個に集中し始めている。こんな頭のイカれた選手は今まで多分、日本だけでなく世界的に見てもいない。だから面白いです」。明日23日マリ戦も控えが濃厚だ。冷静に「スタイル的に、少なくとも監督の理想とするタイプでないのは100%承知なわけで。ここまで何とか盛り返してはきている」と現状分析もした。ただ、本田は本田。どうなろうと、信じる道を突き進む。たとえそれでW杯に行けなかったとしても。譲れないものがある。【八反誠】