【リエージュ(ベルギー)21日】日本代表FW宇佐美貴史(25=デュッセルドルフ)が、三度目の正直でW杯(ワールドカップ)まで突っ走る。ベルギー遠征中の日本代表は、合宿3日目の練習をほぼ非公開で行った。宇佐美はハリルホジッチ監督体制で3度目の肉体改造に取り組み、好調ぶりをアピール。9カ月ぶりの代表を新ボディーで戦い抜く。

 宇佐美が自信を持って9カ月ぶりの代表に帰ってきた。公開された冒頭15分のランニングでは最後尾、本田と並んで大外に位置し誰より長い距離を走った。20日の9対9のミニゲームでは主力組の左サイドに入った。ゴールも挙げ、好調ぶりを見せつけた。

 デュッセルドルフでは4試合連続得点するなど、結果を残した。「今までにない感覚。90分通して1本のチャンスを狙えたり、落ち着いた判断ができる」とプレーの幅が広がっていることを実感。その根底には昨冬から取り組む肉体改善があった。ハリルホジッチ監督から再三「体脂肪率」を指摘されてきた宇佐美にとって3度目の挑戦だった。

(1)とにかく減量時代

 14年シーズンオフから糖質を制限し約6キロの減量に成功したが、代表生き残りをかけさらに減量を決意。体脂肪率は減ったが、十分な食事を取れず、シーズン終盤には結果がついてこなくなった。

(2)グルテンフリー時代

 16年夏にアウクスブルクへ移籍が決定。この時期から、妻蘭さんの協力を得て、小麦など穀物の表皮の中にあるタンパク質の一種「グルテン」の摂取を控える「グルテンフリー」に取り組んだが、これもなかなか結果が出なかった。

(3)新肉体改善法時代

 昨冬から自ら栄養学について勉強。食事を取るタイミングを変えた。油物を控え「臓器にアプローチする。消化の邪魔をするものは食べない」。筋肉量を維持したまま2、3キロの減量に成功。「体が軽くなった。動きやすい」。

 「2列目ならどこでも高いパフォーマンスができる自信がある」と言い切る。苦労と希望が刻まれた肉体でロシアまでアピールを続ける。【小杉舞】