サッカー日本代表の西野朗監督(63)が21日、J1リーグの川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ(等々力)戦を視察した。

 就任後2度目のスタジアム訪問。4-1で川崎Fが大勝したゲームの後、取材に応じ「(W杯メンバー選考の)対象となっている選手の状態の把握だけなので…」と、まず説明した。

 川崎FのMF中村が1得点するなど活躍したことに「フルタイム(出場)は久々なんじゃないですか」と言及。代表入りの可能性を問われると「いや…」と苦笑いし「いいゲームはやってるな、いいプレーはしているなとは思います」と話すにとどめた。4点目を挙げたFW大久保に関しても「さすがですね」とだけ感想を口にした。

 ほかに気になった選手がいたか聞かれると「今まで入っている選手は特に注視して見ていました」と候補だけ見た様子。3月のベルギー遠征に招集したFW小林、MF大島が不在の中、奮闘した左サイドバック車屋について「かなり運動量もあったし、アクションを持って積極的にやっていたと思います」と高く評価した。

 キックオフの約1時間半前には、前監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(65)が再来日した。滞在中に会う予定はあるか? と質問されると「あまり状況がよく分かってないんですけど、会う予定などは全くないです」。会いたいと言われたら? との問いには「それはもちろん…考えたいなと思います」と話し、前技術委員長として何らかの説明や対話をする可能性を否定しなかった。

 ハリルホジッチ氏は空港で「ゴミ箱に捨てられた状態」などと無念さをにじませた。監督の座を奪う形になっただけに西野氏の立場は微妙。2カ月後のワールドカップ(W杯)へ「僕自身は猶予もないし、準備期間もないので…。集中して、自分の仕事に入っていくだけなので…。とにかく集中したいです」とだけコメントし、会場を後にした。