ワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本代表MF香川真司(30=ドルトムント)が19日、都内でブランドアンバサダーを務めるスイスの時計メーカー、タグ・ホイヤーのイベントに出演し、コロンビア戦でのPK場面の秘話を明かした。

 「開始3分で、あの状況は想像しづらいもので」としながらも「僕自身、PKの練習は、ドルトムントでも1年近くやっていて。自信はあった。試合前のアップの段階から、もしかしてPKあるかも、と予感がしていた。いざ迎えて、来てしまったな、と」。事前に相手のGKの動きの分析をしていたことを明かし「タイミングを外す練習はしてきた。無駄なことを考えず、無になろう。ただ集中して、と言い聞かせて蹴りました」と振り返った。

 過去、アジア杯でPKを外したことを口にし「ファンの皆さん、メディアの皆さんからは、PKで弱いとか、ずっと言われ続けてきた。ここは決めて証明しないと」と当時の心境を吐露。得点後に、雄たけびを上げて喜びを表現したことを問われると「こみあげてきて、声をあげずにはいられなかった」と話した。

 W杯の戦いを終え「また新たな準備を始めないといけない。僕自身もレベルアップして成長したいと。もっと厳しく見つめ直さないといけないことある。個性は何だと問いただしてやっていきたい」と決意を口にした。ベルギー戦で、E・アザールらと対峙(たいじ)し「最後、僕自身が痛感したのはラスト3分の1であったりバイタルで、どれだけ勝負できるか」と新たな課題も見つかった。「攻撃の選手はそこがすべて求められるし、個人的に悔しさを痛感している。ただ、僕自身できると思ってますし、自分ももっとトライし続けないと」。 C大阪時代の同僚のMF乾貴士(30=ベティス)がW杯の舞台で2得点したことを挙げ「乾が必然で生み出したゴール」とした。「セレッソから長くやって、あの形は常に持っていた。あまり決めているイメージはなかったけど、ああいう舞台で決めるのは、乾が自分のストロングとしてやり続けてきたからこそ。刺激を受けた。あらためて自分のことに集中してレベルアップできれば」と決意を口にした。