日本代表が「総力戦」で1位通過を果たした。森保一監督(50)が大会前から掲げる金看板通り、オマーン戦から先発を10人チェンジ。すでに1次リーグ突破を決めていただけに、主力を温存してサブ組にも実戦を積ませるべく、スタメンの顔ぶれをがらりと変更。思い切った勝負手で逆転勝利を手にすると、喜びを素直に表現した。

「まずはチームの目標としていたグループステージを全勝して1位で突破をして決勝トーナメントにいくということ、選手たちはチームとしての目標を、結果をもって示してくれたと思う。この大会は総力戦で戦っていくんだとチーム内で共有していますし、総合力をウズベキスタン戦で示して勝利しようと。厳しい戦い、難しい戦いを勝てて、決勝トーナメントに進むことができて良かった。選手たちは強い志をもって決勝トーナメントにつなげる、頂点をめざしてやっていくということをプレーをもって示してくれた」と、声を弾ませた。

勝利以外ならまとわりついてきた、負の記録も振り払った。負ければA代表参加後の92年大会から1次リーグ初黒星となり、引き分け以下なら初の2位通過。「目標は優勝」と言うものの、大幅入れ替えで勝利を逃せば暗雲が差し込んできてもおかしくなかった。追加で招集したFW武藤とDF塩谷がゴールで先発起用に応え、もやを晴らした。

腰痛で別調整中のGK東口を除く22選手を起用し、総力戦の下準備を整えて1次リーグを全勝でクリアした。だが前半40分に身長190センチの長身FWショムロドフにディフェンス陣がスピード負けして先制点を許すなど、まだチーム力は上昇の余地を残す。

次戦は21日、E組2位のサウジアラビアと対戦することが決まった。優勝まで残り4試合。会見時は相手が確定しない状況だったが指揮官は「カタールにしてもサウジにしても、非常に強いチーム。どちらと対戦したいというのは考えていません。まず我々が最善の準備をするということ、非常に強い対戦相手と戦うということを覚悟して準備していきたい」。力を結集し、厳しい戦いを乗り越えていく覚悟を示した。【浜本卓也】