日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(59)が、3-4-3習得を早めるために「見本DVD」を選手に配布する計画が浮上した。日本協会関係者が4日、明らかにした。国内組のみで行われた4月下旬の合宿で、選手の中から3-4-3の動き方をより具体的にイメージするための手段の1つとして、DVD配布の声が上がったためだ。

 同関係者は「4月の合宿で、選手たちから監督が3-4-3を使って理想的なプレーができたと思っている試合のDVDを見てみたい、という声が出た」と明言。指揮官がセリエAのウディネーゼやACミランを指揮していた時の3-4-3の布陣のベストゲームの映像を見ることで、イメージをふくらませる狙いだ。

 ザッケローニ監督は以前から「(同じ3-4-3でも)選手が違えば、やり方も変わる。同じシステムはありえない」と話しており、これまでも見本の映像は見せていない。ただ、3-4-3へのこだわりは強いため、「見本DVD」製作に動く可能性はある。

 4月下旬の合宿で国内組に徹底指導した3-4-3の動きの課題を選手、ポジション別に抽出したDVDを配布する計画は既に動きだしている。ザッケローニ監督が「私の戦闘服」と話す3-4-3の布陣の理想的な動きの映像を選手に見せてすり込めば、練習時間が限られる代表選手も「予習」が可能になる。6月のW杯アジア最終予選3試合には間に合わないかもしれないが、最強のオプションとするためにも、さまざまな手段を取り入れていく。