日本協会の大仁邦弥会長(69)は23日、アギレジャパンが今日24日に正式誕生することを示唆した。W杯ブラジル大会後初の理事会は24日に行われる。同会長は「交渉がうまくいけば」と前置きし、理事会で承認された後、正式発表となる見通しを口にした。また、アディダス社との契約更新交渉も順調に進み、来年4月から7年9カ月の大型契約も決定的となった。W杯惨敗で沈んだ日本サッカーは、新監督とスポンサーのダブル契約で活気を取り戻しそうだ。

 最後まで新監督の名前は伏せた。Jヴィレッジ株主総会と取締役会出席のため、福島を訪れた大仁会長は、慎重な姿勢は崩さなかったが、発表までの詳しい段取りを説明した。「契約交渉がうまくいけばですよ」と話した後「明日(24日)の理事会で理事の皆さんに新監督の名前を出して報告して、承認されれば、その後にマスコミの皆さんに正式発表します」と話した。

 同会長は、最後まで「アギレ」の名前は出さなかったが、元メキシコ代表監督ハビエル・アギレ氏(55)の合意を得た自信から余裕があった。「早く決めるよ。4年前は原が代行で2試合やった。今回はそうならない。原は歴代代表監督の中で一番勝率がいいんだよね。(1勝1分けと)負けてないからな」と、笑いを誘った。

 原博実専務理事は現在、アギレ氏との最後の交渉を終えた。5月からエージェント会社を介して交渉してきて、今月はすでに2度目の直接交渉となった。22日の常務理事会を欠席してまで交渉したのは、理事会に間に合わせるため。大仁会長は「原はもうすぐ帰国します。理事会にも出席します」と、交渉完了を示唆。

 アギレ氏は日本協会との交渉を終え、スペインの自宅を離れた可能性がある。休養後の今月中に来日する予定。スペイン1部リーグ・エスパニョールを指揮し、すぐにメキシコ・テレビ局の仕事で約1カ月、W杯解説に没頭し、最近は「疲れた。早く休みたい」と繰り返していた。再充電し、満を持して来日する。