アスルクラロ沼津が今季から昇格し、初めてのJ3静岡ダービーが開催された。

 先制したのは、J3で4年目を迎える藤枝MYFCだった。前半13分、DF久富良輔(26)の右クロスをFW遠藤敬佑(28)が落とし、最後はフリーだったFW枝本雄一郎(28)が左足で決めた。静岡学園高出身の枝本は、2戦連発。「1回、ゴールから離れて(もう1度)するすると入っていくのは、狙っているプレーだった。うまく入った」と振り返った。

 ホームでJ3初勝利を狙う沼津が、徐々に攻勢をかけた。縦に早いサッカーで、厳しい球際や寄せで徐々にボールを保持。同42分に、右サイドを崩すとMF中村亮太(26)のクロスをFW小牧成亘(24)が頭で決めて同点。前半はシュート2本に抑えられていたが、少ないチャンスで決めきった。

 後半も、沼津ペースで進んだ。同18分には、相手ボールのカットから最後はFW薗田卓馬(23)が右足で決めて逆転。同37分には、右CKから元藤枝のMF沓掛勇太(25)が決め、6分後には途中出場のMF前沢甲気(24)がダメ押しの4点目を奪った。

 逆転負けを許した藤枝の大石篤人監督(40)は「注目を集めているダービーで、情けない結果になってしまった。残念です」と振り返った。一方で、会場には2947人が集結。「静岡のサッカー文化に、1つの新しいページができたと思う」と話した。