マイナビ仙台は26日、なでしこリーグ開幕戦(アウェー千葉戦)を2-1の逆転勝利で飾った。同点で迎えた後半43分、新加入のオーストラリア代表で、昨季アジアサッカー連盟(AFC)年間MVPのFWケイトリン・フォード(22)が、FW浜田遥(24)の決勝弾を演出した。MF川村優理(27)の移籍で戦力ダウンが懸念された今季だったが、攻撃陣が機能し好スタートを切った。

 フォードが新生仙台Lに白星を運んできた。1点を追う後半17分、フォードが途中出場すると同時に、DF市瀬菜々(19)がリーグ戦初ゴールを決めて同点。同43分にフォードは相手の激しい寄せを気にもせず、左サイド突破して初アシストを記録。早速、ワールドクラスの実力を見せつけた。越後和男監督(51)は「プレーを見るのは初めてに近い。時間をつくってくれればいいと思っていたが、サイドをはがしてくれた」と称賛した。

 国際大会のアルガルベ杯を終えた直後の19日に加入したばかり。フォードは「まだ30分しか出ていないので、(状態は)何%か分からない」としながらも、「ストライカーとして点を決めることを意識して入った。市瀬と浜田と連係して動くことが出来た。チームは100%だったと思います」と手応えを口にした。

 クラブは今季、チーム名が変わり、指揮官も代わった。これまで司令塔として君臨したMF川村が移籍し、柱を失った。さらに、点取り屋のFW有町紗央里(28)は故障で出遅れている。刷新されたチームの救世主として、必然的にフォードへの期待は高まる。来日しチーム合流わずか1週間だけに「試合に出場できた上に、勝てて良かった」と、ワールドクラスのストライカーでも、心底ホッとした表情を浮かべた。

 アルガルベ杯で太ももを故障したというが、それを感じさせない迫力あるプレーで早速勝利に貢献した。次戦のホーム開幕戦(4月2日、新潟戦)に向けて、「勝ち点3を取って、ホームのサポーターと一緒に喜びたい」。指揮官は自身初勝利にホッとしつつ、「最終的にトップに立てれば」と狙うは優勝のみ。強力な新助っ人とともに、初タイトルを狙うシーズンに挑む。【秋吉裕介】