鹿島アントラーズのDF昌子源(24)がホーム通算800得点となるメモリアル弾を決めた。1-1で迎えた前半41分、MF遠藤康(29)が蹴った左CKをゴール前中央に走り込み、頭で合わせた。同23分には自身のハンドでPKを献上し、サガン鳥栖に先制点を許していたため「サポーターとの一体感もあったし、オレ自身はリラックスしてできた。それが得点につながったのかな」。G大阪の764得点を上回る最速での達成を知ると「それは素直にうれしい」と笑顔を見せた。

 22日のホーム磐田戦で0-3で敗れるなど本拠では2連敗中だった。開幕から1勝3敗で得点はわずか1。ホームのサポーターに勝利を届けられたことが、なによりも喜びだった。前半28分にはFW金崎夢生(28)がPKを右足で決めて同点。自身のゴールが決勝点となり「非常に申し訳なく、今日こそはという気持ちが全員にあった。ゴールデンウイークでスタジアムでなく旅行に変更した人が、来ておけば良かったと思ってもらえるような試合がしたかった」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 29日のJ2千葉-徳島戦で徳島の選手がボールボーイを務めた少年に乱暴な行為をし、一発退場。昌子にとっても、胸につかえた出来事だった。「みんなも、当然知っていた。試合前にあらためては言わなかったけれど、みんなも気持ちは一緒だったと思う。Jリーグ全体として、選手みんなが申し訳ないことをしたと思わないといけない。もしかしたら、あの子がサッカーをしたくなくなってしまうかもしれない。2度とあってはならないこと」。途中出場したMF三竿健斗(21)も「みんな何かを感じていた。ベンチにいた選手では、ボールボーイの子たちに、いつも以上に話しかけたりしていた」と行動に移していた。

 カシマスタジアムでのリーグ戦2勝目は、選手、スタッフ、サポーター、支える人たちすべてでつかみとった勝利だった。昌子は「これからはホームで全部勝てるように努力していきたい」とヒーローインタビューで決意し、会場を1周して喜びを分かち合った。【鎌田直秀】