セレッソ大阪がヴィッセル神戸に初めて土をつけ、B組首位に立った。前半11分にDF藤本康太(31)が右足ボレーで先制ゴールを決め、この1点を守り抜いた。後半23分には16歳のDF瀬古歩夢もJ1デビュー。31日に神戸が新潟に引き分け以下で、C大阪は1位突破が決まる。

 まだあどけない表情をこわばらせたまま、ピッチへ走っていった。わずか1点リードの後半23分、尹晶煥監督に16歳の瀬古は呼ばれた。プロ初出場。明確な爪痕は残せなかったが、自身にとっては大きな1歩を踏みしめた。

 「全然、ボールにも触れませんでしたが、いい経験ができた。1人1人のスピードの速さは、やってみて感じた。トップ(チーム)で頑張っていきたい」。

 MF関口に代わって、ピッチイン。守備的MFの位置に入り、とにかく走り回った。1-0接戦の展開で信頼を得て送り出された。尹晶煥監督は「体が強く、足元も強い。信じて起用した」と話す。 U-20W杯で奮闘中のFW久保と同世代。「ライバルです。いい刺激を受けています」。その裏にある本音は「負けたくない」はず。ただ、世代で切磋琢磨(せっさたくま)し、目に見える目標は20年東京五輪。大目標へ、名マラソンランナーと同姓の男が力強く1歩を踏み出した。【実藤健一】