鹿島アントラーズがホームでベガルタ仙台に3-2と逆転勝ちしたが、2戦合計4-5で敗退した。今季は国内3冠とアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の全タイトル獲得を目標に掲げていたが、ACLに続き、また1つタイトルを失った。

 DF昌子源(24)、植田直通(22)の日本代表センターバックコンビをW杯アジア最終予選で欠き、第1戦で先発したDFブエノ(22)も出場停止と苦しい台所事情。前半6分に直接FKで先制点を許すと、後半3分にも左サイドバックで先発起用されたDF三竿雄斗(26)がPKを献上。2点を先行され、準決勝進出には5点を奪わなくてはならない窮地に追い込まれた。

 だが、鹿島は意地も見せた。FW鈴木優磨(21)や安部裕葵(18)を投入してリズムは一変。後半13分にはMF遠藤康(29)が蹴ったCKのこぼれ球を鈴木がゴール。同20分には遠藤のスルーパスを受けた安部が冷静に右隅に流し込んだ。

 安部は「バルセロナがパリサンジェルマン相手にああいうゲームをしたことがありますから、5点はとれると思っていたのですが…。バックパスはしないくらいの気持ちで、前に積極的にフィニッシュにいこうと思ってやりました」。

 同38分にも途中出場のMF永木亮太(29)からの左クロスを鈴木が頭で合わせて3点目。その後も猛攻をみせたが、相手のアウェーゴール2点は重くのしかかった。

 安部は「アントラーズは常に3冠を狙っている。それがとれなかったのは残念な気持ちでいっぱい。たくさん反省して、しっかり切り替えたい」と前を向いた。

 大岩剛監督(45)も「後半に限ってですけれど、素晴らしい連動性を見せてくれた。リーグ戦と天皇杯に悔しさをぶつけたい」と残る2つの大会で、国内通算20冠目を狙う意欲を示した。