湘南ベルマーレの今季最終戦となった町田ゼルビア戦のゴール裏に、他クラブからレンタル移籍している選手たちへ残留を求める、サポーターの横断幕が掲げられた。

 「央樹・直輝・拓也・諒 J1で一緒に戦おう」

 今季、J1柏レイソルから加入したMF秋野央樹(23)、15年にJ1浦和レッズから移籍し、3季目のFW山田直輝(27)、同じく浦和から16年に移籍したDF岡本拓也(25)、そして7月に名古屋グランパスから移籍したMF高橋諒(24)への、熱いメッセージだった。

 山田は町田戦の後半15分に、今季5点目となる貴重な同点弾を決めた。今季は大きな故障もなく39試合に出場し、攻撃でチームをけん引する。

 岡本はDFとMFが出来るユーティリティー性があり、守備では欠かせない1人。バックからサイドMFまで、試合中の布陣変更にも柔軟に応じ、サイドMFでのプレー時には思い切りのいいシュートも魅力で、今季は30試合に出場し3得点を決めた。

 そして今季、加入した秋野は、柏で16年に定位置を確保していながら、縦の推進力を高めるなど、プレーの幅を広げたいという強い意欲を持って湘南に移籍。今季は38試合に出場し、柏での4季で1ゴールだった得点は4ゴールに伸びるなど成長し、湘南の中盤に君臨している。

 また高橋も加入早々、左太ももを痛めて2カ月、戦線を離脱したため出場は6試合にとどまったが、連動性がありスピーディーな湘南のサッカーに順応。1ゴールを決めるなど、サイドアタッカーとして重要なピースとなっている。

 山田は横断幕について聞かれ、「戦いたいと言ってもらえるのは、選手としてありがたいこと。まぁ、たまたま、僕たちはレンタルでこっち(湘南)に来ているだけで、他の選手にもそういう気持ちはあると思うので」とサポーターの思いをおもんぱかった。その上で「すごい、うれしい気持ちです」と感謝した。【村上幸将】