北海道コンサドーレ札幌の来季外国籍枠争奪戦が23日、スタートした。クラブはこの日までに、J1残留に大きく貢献したFWジェイ(35)へ、契約延長オファーを出すことを決めた。ジェイが札幌と契約した場合、登録外国籍選手が6人(提携国枠のチャナティップは除く)と、規定の5枠を超える。外国籍選手にとって、26日G大阪戦、12月2日最終鳥栖戦は、残り枠をかけた大事なサバイバルマッチになる。

 J1残留のあとは、チーム残留をかけた壮絶なバトルが始まる。左ふくらはぎ肉離れで離脱していたMFマセードが23日に、札幌・宮の沢での全体練習に合流。「リーグが終わるまでに間に合って良かった。状態はいいし、何とか残り2試合に絡んでアピールしたい」と強い決意を口にした。マセードの契約は今季いっぱい。厳しい現状は自覚しており、生き残りに向け気持ちを高ぶらせた。

 マセードだけではない。清水戦2日前の16日に右膝痛を再発し離脱したFWヘイスも、この日から全体練習に部分的に参加した。今季12試合6得点と結果を残しているが、古傷の右膝は、いつ痛くなるか分からない状況。コンスタントに動けることを示しておかなければ、来季の保証はない。「いつでもベストの準備をしておかないと」。まだ万全ではないが、残り2戦出場へ、覚悟を決めた。

 クラブにとっては悩みどころだ。ジェイが来季札幌と契約した場合、外国籍枠選手はFWヘイス、MFマセード、GKク、MFキム、右アキレス腱(けん)断裂で登録抹消中のブラジル人MFジュリーニョを含め6人にふくらむ。来季も契約が残っている選手も一部いるが、幹部は「ジェイ以外は、まだ分からない」と話しており流動的。残り2戦を含めた評価が、来季の外国籍5枠を構成する大事なデータとなる。

 シーズン通して堅守の軸となった守護神クは来季も契約を残しており、昨オフのようなビッグオファーが来なければ残留は濃厚だ。そうなると事実上は3枠をジュリーニョ、キム、ヘイス、マセードが争うことになる。来季目標はJ1残留ではなく、より上位を目指す。そのためにも戦力を厳しくふるいにかけ、今季以上に研ぎ澄まされたチームへと進化させる。【永野高輔】

 ◆Jリーグ17年の外国籍選手登録枠 国籍を問わず5人登録できる。ベンチ入り人数は従来の外国籍選手3人+アジア枠または提携国枠など1人で変更はない。提携国枠とはタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、イラン、マレーシア、カタールの9カ国(オーストラリア、スペインは選手登録の提携国枠には入らない)。