ベガルタ仙台の新加入FWジャーメイン良(22)が今季初の練習試合で猛アピールした。沖縄キャンプ中のチームは22日、糸満市西崎陸上競技場で沖縄海邦銀行(九州リーグ)と練習試合(30分×3本)を行い、2-0で快勝した。ジャーメインはスピードを生かした動きで1ゴール1アシストと得点すべてに絡む活躍を見せ、大器の片りんが垣間見えた。

 一瞬のチャンスを冷静に仕留め、ゴール前での嗅覚をアピールした。1-0で迎えた3本目の開始3分。同じく新加入のMF庄司悦大(28)が縦に放ったスルーパスに反応。相手マークをあっさり振り切ると、右足でボールを浮かしゴールネットを揺らした。

 ジャーメイン 庄司君がダイレクトでスルーパスを入れてくれた。得意な形でボールを出してくれたのでうまく反応することができた。あそこでの一瞬のスピードは僕の武器。相手キーパーより先に触れると分かったのでうまく浮かすことができてよかったです。

 1本目にはシャドーの一角に入り、FW西村拓真(21)のゴールをアシストしたが、課題も残った。約75分間出場し放ったシュートが6本。1本目には、GKと1対1、フリーの場面で決めきれなかった。「力が入りすぎた。3点取るつもりで準備していたので悔しいです」と反省も口にした。

 渡辺晋監督(44)は「何本外したことか。決めてなんぼだとハーフタイムで厳しく言った。最初のゲームでそれに気づけたことが1番の収穫。動きだしのタイミングは面白いので、最後の精度が高まれば、すごいストライカーになれる。これからでしょう」と伸びしろに期待を寄せた。

 「まだまだ周りと合わせていかないといけないが、この戦術で自分のスピードをうまく生かせれば通用すると思っている」とジャーメイン。周囲との連係を深め、決定率を高めていく。【下田雄一】