J2アルビレックス新潟は今日25日の第1節、カマタマーレ讃岐と香川・Pikaraスタジアムで対戦する。24日は静岡キャンプ最後の練習を御前崎ネクスタフィールドで行った。今季、釜山(韓国)から移籍の元日本代表DF安田理大(30)は讃岐戦、右サイドバックでスタメンが濃厚だ。一昨年所属した名古屋以来、2年ぶりのJリーグでのプレーになる。自身のリスタートでもある開幕戦、チームを勝利に導くことを誓っている。

 キャンプを締めくくる7対7のミニゲーム。DF安田の大声がグラウンドに響いた。「ナイス! ナイス!」と雰囲気を盛り上げ、自分がシュートを外したときは「結構惜しかっただろ」と笑いも取る。

 積雪のため新潟で練習ができず、キャンプから開幕戦に向かう。キャンプ直行のシーズンインは初めての経験だ。高知キャンプ中の1月20日に移籍加入が発表されて新潟の一員になり、この日の静岡キャンプ終了まで過ごした時間を「新鮮だった」と言う。

 それは開幕戦への意欲につながる。「ピッチに立ったらやるだけだから」。讃岐戦はキャンプ序盤からこなしてきた右サイドバックでの先発が濃厚。ただ、終盤は左サイドバックに入る場面も増えた。「どっちもできるので不安はないです」と感覚は磨いてきた。

 オーバーラップから正確に入れるクロスも周囲と呼吸が合ってきた。「『俺はここに蹴るから』という気持ちで入れる。そうすればみんなも分かってくれる」。鈴木政一監督(63)は「何より経験がある」と百戦錬磨の元日本代表に信頼を寄せる。

 キャンプ中、宿舎で平昌五輪を連日テレビ観戦した。刺激を受けたのはスピードスケートの高木美帆(23)。団体追い抜きの金メダルなどの結果や、姉菜那(25)と切磋琢磨(せっさたくま)してきたインサイドストーリーに熱くなった。

 「選手の皆さんは必ず『感謝』を言葉にする。自分たちもそれを忘れてはいけない」。昨季、韓国でプレーし、2年ぶりにJリーグに復帰。新潟は通算8クラブ目の所属になる。五輪アスリートの言葉に、開幕を迎えられることへの自身の思いを重ね合わせた

 新潟サポーターから力ももらった。18日、600人のボランティアとスタッフが、50センチ以上の大雪に見舞われたホームのデンカビッグスワンスタジアムの雪かきを行った。「びっくりした。本当にありがたい。ホームでは絶対に負けられない。その前に、まず讃岐戦に勝つ」。充実した気力を武器に、新潟デビューとなる讃岐戦に臨む。【斎藤慎一郎】