ジェフユナイテッド千葉のファン・エスナイデル監督(44)は、東京ヴェルディとの開幕戦に敗れた試合後の会見で「なぜ11人で、もっといいサッカーが出来なかったか、理解に苦しむ」と首をかしげた。

 前半9分にDF増嶋竜也(32)が、ドリブルを仕掛けてゴールに肉薄していた東京VのFWドウグラス・ヴィエイラ(30)を後ろから倒し、1発レッドで退場。それを受けて、同12分には司令塔のMF町田也真人に代えてDF鳥海晃司(22)を投入。序盤で攻守ともにゲームプランの大幅な修正が余儀なくされたことは想像に難くない。

 会見の冒頭で、エスナイデル監督は「試合の入りが、とても悪い。普段の我々からみたら満足できない。相手に合わせてしまった。何が起こったのか分からない。選手と、しっかりと話したい。試合を左右したのは入りの良さ、悪さ」と断言した。それを受けての質疑応答の中で「増嶋選手の退場と、町田選手の交代を余儀なくされた影響は大きかったか? どのようにプランを変えたか?」と質問が飛ぶと、エスナイデル監督は次のように語った。

 エスナイデル監督 もちろん、影響はあった。1人いなくなるというだけでなく、攻撃のために大切な選手が1人、いなくなった。でも10人だったにも関わらず、相手よりもいい時間がずいぶんあった。そういう意味で、なぜ11人で、もっといいサッカーが出来なかったか、理解に苦しむ。退場は1人1人の負担が多くなるし、全てが難しくなる。もう1度言いますが、1人少ない中、あんなにチャンスを作ったのに、(誰も退場していない)11人で、あんな悪いサッカーをしたのか理解に苦しむところ。(退場を受け)難しい状況であることが分かったのに、やっと気付いて走ることが出来た。それは、その前にやっておかなければいけないこと。

 エスナイデル監督は会見の最後に、「17年からJ2の中でこれだけアグレッシブに前からガンガンいくサッカーをしているのは、あなたくらい。今季は、ふざけるな、タイトルを取ってやる! くらい言ってほしい」と、エール交じりの質問を受けると、思わず笑った。そして「あなたは今、私がどういう心境か分かりますか? ズタボロなんですよ。本当に期待していたんですけど…。ただ不幸中の幸いは、今日、起こったのはシーズンの最初だということ。確信を持って言えるのは、今日は本来のチームじゃない。もっと出来る…絶対に出来る」と言い、会見場を後にした。【村上幸将】