ベガルタ仙台がアウエーで横浜F・マリノスと0-0で引き分け、貴重な勝ち点1を挙げた。前半36分、ボランチで先発出場したMF板倉滉(21)がレッドカードでまさかの一発退場となったが、前後半で17本のシュートを浴びたGK川浪吾郎(26)が、神懸かり的なセーブを連発しゴールを死守。チームは開幕以来、公式戦5戦負けなしとなった。

 何度も押し寄せた絶体絶命のピンチに、守護神・川浪が立ちふさがった。後半ロスタイムに1対1の相手シュートを2本はじき返すと、最後は左足でセーブ。緩く上がったボールを冷静にキャッチし「1対1でうまく体を寄せて防ぐことができた。ああいうシーンは多いと分かっていたのでタイミングもうまく整理できていた。疲れました」。その直後、終了のホイッスルが鳴り川浪劇場の幕は下りた。

 前半36分、まさかのアクシデントが襲った。相手ドリブルにタックルに入った板倉が相手選手と激しく交錯。右足スパイクの裏が相手のすねに入り、一発退場になった。自身も足首付近を痛め担架での退場。試合後は松葉づえをついて帰路に向かい、19日から始まるU-21日本代表のパラグアイ遠征のメンバーに選出されているが、辞退する方向だ。

 この日のスタメン平均年齢は23才と平均26才の横浜に比べ若く、MF野津田岳人(23)がキャプテンマークを巻くなどフレッシュなメンバー構成で臨んだ。立ち上がりから5バック気味で臨み落ち着いた入りをみせた。仙台渡辺晋監督(44)は「吾郎が再三再四のビッグセーブで勝ち点1をもたらしてくれた。難しいゲームで勝ち点を奪えたことは大きい」。守護神の活躍で敵地で勝ち点を挙げた仙台が勢いに乗った。【下田雄一】