ヴィッセル神戸の高卒ルーキーMF郷家友太(18)が、同学年のセレッソ大阪FW安藤瑞季(18)と高校で交わした約束を果たした。

 郷家は青森山田から加入し、リーグ戦初出場初先発。4-3-3の右ウイングに入ってプレーした。「安藤が早く出て来いと思ってプレーしていた」と言う郷家の願いをかなえるように、後半26分にC大阪FW高木に代わって長崎総合科学大付から加入したFW安藤がリーグ戦初出場。郷家が途中交代した同44分までの18分間、同じ舞台に立った。

 今冬の高校選手権3回戦。郷家は、高校NO・1ストライカーといわれた安藤擁する長崎総合科学大付に0-1で敗れた。試合後、涙を流す郷家に近づいてきた安藤が言った。「Jリーグの舞台で会おう」。号泣していたが、その言葉だけははっきり覚えている。プロになり、初めての対戦で同じピッチに立った郷家は「約束をかなえられてよかった」と笑った。

 郷家には初ゴールのチャンスもあった。前半30分。左サイドのFW田中からのクロスに、ペナルティーエリア中央で頭で合わせた。わずかに右にそれて枠を捉えられなかったが、吉田監督は高評価。「キャンプから見てきて、今日の郷家が一番パフォーマンスがよかった。期待に応えてくれた。近いうちにゴールを見られると思う」と目尻を下げた。

 チームのJ1通算200勝にも貢献したが、ルーキーは満足しない。「僕と安藤は上に行けるチャンス。今日みたいなチャンスでしっかり決めないと上に行けない。早くゴールを取って波に乗りたい」。先発定着を目指し、さらに努力を重ねていく。