清水エスパルスが若手トリオのゴールでトンネルを脱した。アウェーで名古屋グランパスに3-1。連敗を3で止めた。前節まで得点力不足に陥っていたが、前半44分にFW北川航也(21)が先制し、後半25分にMF石毛秀樹(23)が追加点。1点は返されたが、同41分、MF金子翔太(22)の今季5点目で名古屋を突き放した。

 清水は序盤から積極的に仕掛けた。前半8分、ゴール中央でボールを奪ったMF河井陽介(28)は、北川にスルーパス。右足でネットを揺らしたシュートはオフサイドの判定だったが、立ち上がりからビッグチャンスを作った。同15分にもカウンターから北川がドリブルでエリア内まで進入。最後はDFに阻止され得点には至らなかったものの、得意の堅守速攻でゴールに迫った。

 徐々に押し込むと、待ち望んだ瞬間が訪れた。同44分、河井が自陣からドリブルで持ち込んでスルーパス。ボールを受けた北川はワントラップすると、鋭い切り返しで相手DFをかわし、左足で先制ゴールを挙げた。「先発で出るからには前から積極的に行き続けたい」と、意気込んでいた21歳が、8試合ぶりのゴール。得点不足に悩むチームに大きな活力をもたらした。

 後半は押し込まれる展開が続いたが、耐えてチャンスを確実に決めた。同25分、FWクリスラン(26)が落としたボールを石毛がダイレクトで右足を一閃(いっせん)。地をはう弾丸ミドルをゴールネットに突き刺した。

 同41分には、金子が自身シーズン最多の今季5点目を決めて勝負あり。負ければJ2自動降格圏内に転落する可能性もあった一戦で踏ん張り、連敗は「3」で止まった。北川、石毛の生え抜き2人と急成長を遂げている金子の若手3人が、得点力不足を解消。チームに7戦ぶりの複数得点、勝ち点3をもたらした。【神谷亮磨】