アウェーのベガルタ仙台が鹿島アントラーズを2-1で下し、公式戦15連戦の最終戦を白星で飾った。開始直後の前半2分、FW石原直樹(33)が今季4ゴール目を頭で決めると、後半20分にはDF板倉滉(21)が開幕戦以来のゴールでリードを広げた。終了間際に1点を失ったが、デュエル(1対1)で相手を圧倒し逃げ切った。ルヴァン杯を含む公式戦15連戦を7勝2分け6敗と勝ち越して、7位浮上でリーグ前半戦を締めた。リーグ戦はワールドカップ後の7月18日に再開する。

 仙台が電光石火の攻め上がりで、敵地を静まらせた。前半2分、左サイドを駆け上がったMF関口訓充(32)がニアにクロスを上げると、相手DFの間に位置取りした石原がダイビングヘッドでゴールに突き刺した。後半20分にはCKから関口の「アシスト」で、板倉が頭で押し込み貴重な追加点を奪った。

 球際の激しい攻防を制し、2点を守りきった。前半38分にはMF富田晋伍(31)、MF野津田岳人(23)、板倉が、相手MF遠藤康(30)、小笠原満男(39)と激しいつばぜり合い演じた。最後はMF奥埜博亮(28)が倒されて小笠原にイエローカードが出ると、ヒートアップした鹿島イレブンが主審に猛抗議するなど動揺を誘った。2得点に絡んだ関口は「あそこで腰が引けると重心が下がってしまう。ファウルぎりぎりの際どいところで戦えたのはチームの進歩。このスタンスを継続していきたい」と振り返った。

 W杯イヤーの過密日程で、3月31日のホーム長崎戦から15連戦をこなした。FW阿部拓馬(30)、DF平岡康裕(31)ら主力が相次いで負傷離脱する中、リーグ戦は4勝2分け5敗と耐えしのぎ、ルヴァン杯1次リーグではその間3勝1敗、1位通過でプレーオフ進出を果たした。渡辺晋監督(44)は「何も考えずに出し切ってこいと送り出した。戦術理解が深まり、球際で迷いなくいけていた」。ハード日程を白星で締めた満足感に浸りながら、6月2日からのルヴァン杯プレーオフステージに照準を切り替えた。【下田雄一】