日本サッカー協会(JFA)相談役で、元キャプテンの川淵三郎氏(81)が25日、ツイッターを更新し、スペイン1部バルセロナからヴィッセル神戸に完全移籍したスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が、12歳だった96年にバルセロナの育成組織の寮「ラ・マシア」に入寮して加入した下部組織(カンテラ)時代に指導を受けた指導者も、神戸に同行してくると聞いたと明かした。

 「いよいよ待ちに待ったイニエスタ登場。聞くところによると彼を育てたカンテナ〔育成組織〕のコーチも同行してくるらしい」

 前日24日の入団会見で、神戸の親会社楽天の三木谷浩史会長兼社長(53)は「(日本に移動中の)飛行機の中でも話しておりますと『マシアの選手は1人』と言っていました。保守本流です」と、イニエスタがバルサの王道を歩んできた選手だと強調。その上で「彼がキャプテンとしてチームを率いてきた哲学や、バルサの持つDNAが注入されるのは、大きな刺激になると思っています。単にチーム力の向上だけではなく、ユース年代向けのアカデミーへのメソッド導入を含め、次世代の育成にも寄与していくものと期待しております」と発言。下部組織から優秀な選手をトップチームに送る、バルセロナのメソッドを育成組織に注入する、育成年代の“バルサ化”に強い意欲を示した。

 三木谷会長兼社長は、会見に先立つ16日のツイッターでも、同日のルヴァン杯サガン鳥栖戦でスタメン全員が神戸の生え抜きの選手だったことを紹介。「ヴィッセルの昨日のルヴァンカップ、結果は引き分けだったけど若手、生え抜きのポテンシャル、そして新しいヴィッセルのスタイルを見ることができた」と評価し、育成年代の強化の意義を強調していた。一方で、イニエスタの入団会見では、イニエスタを育成年代に指導した指導者が来日することについては言及していない。

 それでも、川淵氏は「彼らの協力によってJリーグクラブの育成組織が世界レベルにまで向上して欲しい。イニエスタ選手が怪我なく活躍できることを心から願って8月からのJリーグを楽しみに!!」(原文のまま)と、神戸の育成組織のバルサ化、それに伴うJリーグの育成組織の向上に期待を寄せた。