FC東京の17歳FW久保建英が、横浜F・マリノスに期限付き移籍することが16日、両クラブから発表された。期間は12月31日まで。今季リーグ戦ではベンチ外が続き、出場機会を求めて決断。この日、横浜の練習に早速合流した。最短で19日の鹿島アントラーズ戦(カシマ)でデビュー。26日のヴィッセル神戸戦(ノエスタ)では同じバルセロナの下部組織カンテラ出身のイニエスタと相まみえる可能性が出てきた。

 青いユニホームに身を包んだ久保が新天地で船出した。「新たなチャレンジをしたいと思って決断した。今できる最大限の成長を考えた時に、マリノスに移籍しようとなりました」。真っすぐと前を見つめて話した。早速、横浜の練習に参加し、室内で約30分間調整した。

 次節鹿島戦への出場は可能で、合流からわずか4日でデビューを果たす可能性もある。26日には同じバルセロナ下部組織出身のイニエスタがいる神戸とも対戦するが「チーム内競争に負けないように頑張り、チャンスがもらえれば相手に関係なくチームのためにプレーするだけ」と冷静だ。

 東京ユース所属の16歳だった昨年11月にクラブ史上最年少でプロ契約を果たしたが、今季は出場機会に恵まれず、18歳になる来年6月以降のバルセロナ復帰も見据えて移籍を志願した。加入する横浜はリーグ優勝3度を誇る名門だが、今季は残留争いにあえいでいる。「攻撃型でいいチーム。最後(得点)の部分で少しでも力になれたら」と適応に自信もみせた。

 20年東京オリンピック(五輪)、4年後のワールドカップ(W杯)カタール大会出場も期待される17歳。「今、ここでその話をしても仕方ない。今はマリノスのために少しでも勝利に貢献できる選手になりたい」。スペイン語で「船乗り」を意味するマリノスで世界へ羽ばたくかじを切った。【松尾幸之介】