ヴィッセル神戸のスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が、Jリーグ5試合目で初のアウェー戦となった湘南ベルマーレ戦に先発し、前半37分にMF三田啓貴(27)の先制ゴールを演出するなど勝利に貢献した。

 前半37分、イニエスタはFWポドルスキからのパスを中央やや左で受けると、目前のDFの動きを見つめ、ペナルティーエリア右に柔らかく浮き球パスを送った。その先には、13日にガンバ大阪から加入し、この日、神戸で先発デビューを果たした192センチの長身FW長沢駿がいた。その長沢が頭でボールを落とすと、走り込んだ三田が左足で切り返してDF2人をかわし、左足でゴールにたたき込んだ。イニエスタは「いい攻撃の形だったかなと思います。FWに背の高い選手(長沢)がいて、そこから2列目から入ってきた選手(三田)もいるので、うまくいった。チームとして、いいプレーができた、良い試合だった」と淡々と振り返った。

 試合前にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)圏内の3位FC東京が、アウェーで北海道コンサドーレ札幌に3-2で逆転負けした。イニエスタは「勝ち点3を積み上げることができて、本当に喜んでいます。目標のACL圏内との勝ち点差を縮めるために、是が非でも勝たないといけなかった。4ポイントに詰まったことに、本当に喜んでいる」と笑みを浮かべた。

 バルセロナ時代の11年1月以来、7年7カ月ぶりの3戦連続ゴールはならなかった。それでも「本当に難しい試合だった。自分はゴールは決められなかったんですけど、一番大事なのはチームの勝利。それが達成できたことを、本当に喜んでいます」とチームの勝利が大事だと強調した。

 前半22分、ピッチ中央から左足でパスを出したタイミングで、湘南MF斉藤未月がプレスをかけてきて接触。イニエスタは左膝を押さえて倒れ込み、もん絶した。左膝の具合について聞かれると「ちょっと傷みはありますけども、大きなことはなく、接触が幾つかあったので…幸い、特に大したことはなさそうです」と答えた。

 22日には、15歳からプレーをともにしたスペイン代表の盟友フェルナンドトーレスが加入したサガン鳥栖と、アウェーで天皇杯4回戦を戦う。「自分にとって大きな友人である、フェルナンドトーレスと戦うことになる、特別な試合になる。チームとして良い結果を出して、次のラウンドに進めるようにしたい」と意気込んだ。【村上幸将】