J2アルビレックス新潟は15日、クラブハウス隣接のピッチで非公開練習した。明日17日の最終第42節ホーム・レノファ山口FC戦へ集中した環境でカウンターからのシュート、ポゼッション、セットプレーなどを積んだ模様だ。大宮からシーズン途中に期限付き移籍して、第30節福岡戦から先発フル出場を続けているボランチのMFカウエ(29)は、今季ラストゲームを勝利でピリオドを打つ構えだった。

ファンにプレゼントするための自分の写真50枚に、サインしながらMFカウエは話した。「(新潟で)いい時間を過ごしてきた。チームの成績も伸びてきた。最後は勝って締めたい」。ダブルボランチとしての相棒・MF加藤大(27)は、警告累積の出場停止で最終戦には不在となる。しかし、不安な色は見せなかった。「チームとしてやることは一緒。変わらない」と、どの選手とコンビを組んでも持ち味をピッチで吐き出す決意だった。

ハードワークがお家芸の新潟スタイルに、早い時期から適応した。大宮からレンタル移籍(契約は8月15日~1月1日)して、8月26日の福岡戦から先発フル出場。「今まで経験してきたサッカーに近い。問題ない」と以後、ボランチの一角が定位置だ。中盤の底でバランスを取り、危険なスペースを消し、状況に応じて臨機応変なプレーをする。「前線の選手の守備時間を軽減させたい」と攻撃的な選手ながら、チームのために守備で身を削ってきた。片渕浩一郎監督(43)も「本当に、いい選手」と話したことがある。

新潟のボランチとして13試合目、今季最終の第42節山口戦はデンカビッグスワンのホームゲームになる。MFカウエは言った。「サポーターが熱い。自信を持ってプレーできる状況になる。僕にとって、幸せを感じる(スタジアム)」。さらに大きい幸福感に浸るため、カウエはひたすら最終戦の勝利を狙う。【涌井幹雄】