ヴァンラーレ八戸が3-1でテゲバジャーロ宮崎に逆転勝ちし、今季最終戦のホームで来季J3昇格を確実にした。年間通算3位で昇格に必要な4位以内をクリア。ホーム観客動員数でも過去最高の年間3万3114人、「平均観客動員数2000人以上」も満たした。昇格は20日のJリーグ理事会で承認、正式発表される。この日の入場者数は過去2番目の4075人を記録。地域に宿ったサッカー熱に、細越健太郎代表(39)は「プロのサッカーチームが身近にできれば子供たちの夢が目標に変わる。(地域に)なくてはならないものになりたい」と話した。

S級ライセンスを所持していない葛野昌宏監督(43)にとって、最後の采配だった。昇格しても指揮を執れないことを承知の上で今春就任し、すぐ結果を出した。7月下旬に急性大動脈解離で倒れ、手術後約1カ月入院したが、再びピッチに立った。葛野監督は「いい選手、スタッフ、サポーターに支えられた。今後のことはまだ決まっていませんが、監督としてはこれ以上のことはできない」と静かにタクトを置いた。緑をチームカラーにするチームの合言葉は「全緑」。MF須藤貴郁主将(26)は「イカ、サバに並ぶ八戸の代表になりたい」と宣言した。【佐々木雄高】