元ヴェルディ川崎(現J2東京ヴェルディ)GKで、4月に末期の胃がんを公表し、闘病中の藤川孝幸さんが15日に亡くなっていたことが20日、分かった。同日、藤川氏さんが社長を務める北海道サッカーリーグ所属の社会人チーム「北海道十勝スカイアース」などが発表した。56歳だった。

「弊社 代表取締役社長 藤川 孝幸 儀 平成30年11月15日 永眠いたしました ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます 故人の遺志により 葬儀は近親者にて相済ませました なお 誠に勝手ながらご香典 ご供花 ご供物の儀は固くご辞退申し上げます」(原文のまま)

藤川さんは、4月18日に北海道帯広市内で行った北海道十勝スカイアースの新体制発表会で、ステージ4以上の末期の胃がんだと公表した。

藤川さんは、5月26日に東京・味の素スタジアムで行われたJ2東京V対愛媛FC戦の前座として、古巣の東京Vでともにプレーしたラモス瑠偉氏、武田修宏氏、永井秀樹氏、加藤久氏ら関係者を含む約40人が参加して開催された「藤川孝幸激励マッチ」に姿を見せた。

試合後には、古巣の東京Vでともにプレーしたラモス瑠偉氏、武田修宏氏、永井秀樹氏、加藤久氏ら盟友、後輩らと握手し、抱擁した。その後、取材に応じ「17年末で、胃がんだけで4・5センチあって、リンパも8センチ、それ以外の7カ所も3センチくらいのガンがあって、医師からは『(ガンが)内臓を圧迫して、どうしようもない状態で余命3カ月。緩和病棟で緩和治療してくれ。抗がん剤治療も手術も何も出来ないから、痛みだけ止めてくれ』くらいのことを言われた」と説明。末期の胃がんを含め、全身にがんが9カ所あると明らかにした。

当時は、歩くのもつらそうな状態だったが「何とかここまで、半分くらいまではいかないけれど、かなり良くなってきている。ヴェルディは自分の命、全てなので、ここの読売クラブ、ヴェルディのOB、チームメートがいないと僕はない。何とか奇跡を起こして、みんなに恩返ししたいと思っています」と回復を誓っていた。それから約半年後の、早すぎる死だった。

北海道十勝スカイアースの公式サイトは後日「お別れの会」を執り行う予定とし、日時・場所の詳細は今後、発表するとした。