日本プロサッカー選手会(JPFA)は12日、千葉市内のフクダ電子アリーナでJリーグクラブから戦力外通告を受けた選手などを対象としたトライアウトを開催した。

この日は午前、午後の部合わせ54人の選手が参加。午前の部に行われた11対11の紅白戦で1得点を挙げたコンサドーレ札幌のDF田中雄大(30)は、滋賀・野洲高時代の同級生でチームメートだったスペイン1部・ベティスのMF乾貴士(30)から激励されていたことを明かした。

乾とは今でも連絡を取りあう仲だといい「『クビになったわ』みたいな話をしながら。あいつも苦しんでるところあったので、僕があいつに頑張れって言うのもおかしいですけど『お互い頑張ろう』みたいな話はしていました」。

この日は左サイドバックとして出場し、鋭いオーバーラップでチャンスを演出。ゴール前にも積極的に顔を出し、左サイドからのマイナスのクロスボールに左足を合わせて午前の部2本目の紅白戦唯一の得点を決めた。プロでの得点はヴィッセル神戸に所属していた16年のルヴァン杯までさかのぼる。「久々のゴールがトライアウトというのは何とも言えないですけど」と苦笑いしつつ「ゴールという結果を出せたのは個人的には良かった。自分の中でもゲームをつくりながら上がっていったりはできた。今、持っている力は出し切れたかな」。その表情は晴れやかだった。