福岡大(九州第1代表)が、プロ内定選手5人を擁する夏の総理大臣杯王者の明大(関東第5代表)を1-0で破り、8強に駒を進めた。

この日の会場には強風が吹き付けており、前半は風上に立った明大がペースをつかむも体を張った福岡大守備陣をなかなかこじあけることができない。スコアレスで折り返した後半も風下の明大が攻める時間が続いたが、21分に福岡大が一瞬の隙を突いた。高い位置をとって攻め込んでいた明大の左サイドバックが空けたスペースを狙ってカウンターを仕掛けると、右サイドに走り込んだMF河原創(3年)からのクロスに途中出場のFW今田源紀(2年)が頭を合わせてネットを揺らした。

圧倒的に攻められながらも先に1点をもぎとった福岡大は、その後も攻め込む明大の攻撃を全員守備でシャットアウト。そのまま逃げ切り、8強進出をつかんだ。福岡大の乾真寛監督は「前半は7対3か、8対2ぐらいでやられていた。明治さんの方が個の力は圧倒的に高い。その中で、いつかチャンスがくることは全員で共有できていた。守備を頑張って、一発で仕留める。このあたりがよくはまった」と夏の王者からの勝利を喜んだ。

決勝点を決めた今田は1回戦に続く2戦連続ゴール。この日も途中出場から仕事を果たし「ゴールをとりたいなと思って中に入ったらボールがきた」と笑顔で振り返った。次の相手は夏の総理大臣杯で敗れた大阪体育大で「夏に負けているので、勝って4強にいきたい」と力を込めた。

一方、敗れた明大の栗田大輔監督は「要因が何かというよりも、勝負に負けたなと。狙い通りのサッカーはできていた。選手はみんなよくやってくれた」と肩を落とした。浦和レッズへの入団が内定しているDF岩武克弥主将(4年)は「展開は悪くなかったが、結果が全てのスポーツ。キャプテンとして、最後(の大会)をとれなかったのは申し訳ない。まだ何かが足りなかったのかなと思います」と声を絞り出した。来季からのプロ入りへ向けては「間違いなく大学4年間で学ぶものはあった。プロでは結果にこだわれる選手になっていきたい」と決意を込めた。