北海道コンサドーレ札幌は今季初の練習試合を19日、タイリーグ2部のランパーンFCと行う。

30分×3本の予定で、1トップには実績のある3年目のFWジェイ(36)、キャンプインから試されている新加入のFW鈴木武蔵(24)が起用される見込み。ミハイロ・ペトロビッチ監督(61)の信頼を勝ち取り、定位置をつかむため、実戦でのアピールがスタートする。

新チーム初の練習試合前日は、タイキャンプ5日目にして最も天気に恵まれ、気温30度を超すなかで、ジェイや鈴木らが入念に調整した。ミニゲームでは1トップに2人が入ってスタート。ジェイが途中で退いた後にはFWアンデルソン・ロペス(25)が入ったが、この日までの練習では鈴木、ジェイが主に任されてきた。ランパーンFC戦でも2人が試されるのは確実で、新加入の鈴木は「連係を意識したい」と、習得中のチーム戦術を体現するつもりだ。

開幕戦に向けた定位置争いが、いよいよ本格化してくる。鈴木にとっては、17年のチーム得点王で、昨季も1トップで主力を張っていたジェイに競り勝つ必要がある。ライバルは高さがあり、足元の技術があり、シュートも正確。更に、初心者には難解なペトロビッチ監督の戦術も1シーズン分、理解が深い。ミニゲームで対戦中も「(ジェイは)引いて(ボールを)受けるところがうまい」と観察を怠らず、動きを参考にしている。

一方のジェイは、12歳下の若手の挑戦にも、どっしり構える。「足の速さがあって力強さもあるね」と、FWとしてのタイプを分析。「ミシャのサッカーは力だけではなく頭も使わないといけないから難しい」と、昨季は自身も苦しんだ点を挙げ「(鈴木を含む)全員がキャンプ中に一緒に成長しないといけない」と続けた。

実戦でのアピールは、何よりも定位置獲得への近道になる。鈴木は「ミシャ流」サッカーに「まだ慣れない」と、苦戦中と認めつつも「1週間やってきたことを出す」。まだ日数は短いが、合流後に学んだものをピッチで出すつもりだ。タイプの違う、鈴木とジェイの定位置争いがハイレベルになればなるほど、チームの得点力もアップするはずだ。【保坂果那】