<J2:札幌1-1栃木>◇第28節◇25日◇札幌ド

 J2札幌は、栃木に引き分けた。前半10分に失点も、後半5分に左サイドバック上原慎也(27)が中央に切り込み右足でミドルシュートを決め、追いついた。最後は栃木に押し込まれたが、チーム一丸で耐え、8月4戦目にして初の勝ち点を獲得した。連敗は4でストップ。勝ち点は35で13位に浮上した。

 何とか勝ち点1を拾った。0-1の後半開始5分、DF上原慎が、強烈な右足ミドルシュートを決め同点。後半35分には、中盤からの浮き球パスを受けた栃木DF荒堀のシュートをGK金山が懸命にセーブし、その後も栃木の2次攻撃を全員で体を張ってしのぎきった。2戦ぶりに先発復帰の金山は「最後は押し込まれた中、しっかりボールにはいけていた。守備の部分で前でつぶせていたのは大きかった」と振り返った。

 とりあえず連敗は止まった。左太もも裏痛で山形戦を欠場した小野が2戦ぶりに先発復帰。トップ下での先発を予定も、左MF菊岡が右太もも裏の張りでベンチスタートとなった。代わりに前回出場時と同じ左MFに入り、12試合ぶり先発の前田がトップ下に入り、上原慎の同点弾の起点となった。スクランブル状態の中、勝ち点を取り、状況としては半歩、前進した。

 だが、指揮官は「連敗が続いていたわけだし、この勝ち点1は難しい結果」とこの試合に厳しい評価を下した。実際、ゴール近くまではボールを運ぶが、横パスが多く、相手DFを崩して得点機をつくった場面はわずかだった。連敗中の問題が抜本的に解決されたわけではない。

 残り14試合。プレーオフ圏6位とは勝ち点7差の13位。同圏に追いつくには長い連勝が必要で、勝ち続けるには、チームとして点を取る形が必要。FW内村は「毎試合、崩しきるというところまでいっていない」と厳しい口調で言った。なかなか上がらないフィニッシュ精度。速い選手、高い選手とタレントはいる。ゴールを決めるための数センチの連係改善が求められている。【永野高輔】