<J2:札幌2-1長崎>◇第30節◇6日◇札幌ド

 J2札幌は長崎に勝ち、ホーム5戦ぶりの白星で2連勝となった。前半3分、15分にFW都倉賢(28)が得点し、後半に1失点も、猛攻をしのいで逃げ切った。試合を観戦したバルバリッチ監督(52)は、後半、一方的に押し込まれる展開に、リードした後の試合運びをてこ入れする意向を示した。次節の14日岐阜戦が新監督の初采配となる。

 バルバリッチ監督が、メンバー表を手に、時に前のめりになりながら、じっくり試合を見守った。結果については「勝ち点3を取れたことは非常に良かった」と、監督不在の2戦を2連勝で締めたことを評価した。5日の会見でも「勝つことで自信が付く」と話しており、自身が指揮を執る14日の岐阜戦に向け、メンタル的な下準備は整った。

 ここからは新指揮官の腕の見せどころだ。前半15分までに2点をリードも、後半からは、長崎に一方的に押し込まれた。後半23分に1点差に詰められると、DFラインが下がり、守備に回る時間が増えていった。シュート数は長崎13に対し札幌は6。指揮官は「前半はいい形でチャンスを生かしたのが良かった。だが長崎が攻勢に出た後半は足が止まってしまった時間があった。難しい展開になっていた。消極的になったことを分析したい」と言った。まずは、リードした後の戦い方の未熟さを改善させるところからてこ入れする。

 病巣を取り除きながら、9日の練習から、地道にバルバリッチイズムを注入していく。4日にスタッフミーティングを実施。コーチ陣には攻撃の速度アップ、オフザボールでの動きの質向上、全員での組織的守備と、3つのコンセプトを伝えた。この日、指揮を執った名塚コーチは「今日のように、簡単にボールを失っていたら監督のサッカーはできない。単純なミスを減らすことが必要」と課題を挙げた。反省点を1つずつ解決しながら、新たな共通意識を築いていく。

 財前前監督解任の後、勝ち点6を上積みし、プレーオフ6位との勝ち点差は4に詰まった。ホーム5戦ぶり勝利に、札幌ドーム50勝のおまけもつき、反撃への勢いを取り戻した。新体制移行で、一気に上位浮上につなげていく。【永野高輔】

 ◆50勝目

 札幌がリーグ戦での札幌ドーム50勝目をマークした。初勝利はJ1での01年9月15日清水戦。