クロアチアがアルゼンチンに3-0で快勝し、3位になった98年フランス大会以来の決勝トーナメント進出を決めた。敗れたアルゼンチンは1分け1敗で窮地に立たされた。

 アルゼンチンは1-1で引き分けた初戦のアイスランド戦からスタメンを3人変更。MFディマリア、MFビリア、DFロホが外れて、MFメサ、DFアクーニャ、DFメルカドが先発メンバーに入った。フォーメーションも4-2-3-1から3-4-2-1に変更。FWメッシは2列目の右で先発した。

 一方のクロアチアは2-0で勝利したナイジェリア戦からFWクラマリッチを外して、初戦で途中出場したMFブロゾビッチを先発に起用した。フォーメーションは初戦と変わらず4-2-3-1を採用。初戦はダブルボランチの一角で先発したが、この試合ではトップ下に入った。そのボランチに今大会初先発のブロゾビッチが起用された。

 前半5分にクロアチアのFWペリシッチがファーストシュートを放つ。ペナルティーエリア内左から左足でシュートしたが、相手GKの好セーブで惜しくもノーゴール。

 アルゼンチンは前半12分、ペレスの浮き球のスルーパスにメッシが飛び込んだがわずかに合わず。1分後には、右サイドでメッシのスルーパスを受けたMFDFサルビオがグラウンダーのマイナスクロスを出し、メサがダイレクトでシュートを打ったが相手DFに阻まれた。同22分にアクーニャが左サイドから挙げたクロスがクロスバーに当たった。

 前半30分にアルゼンチンが決定機を迎える。相手GKがDFとの連係ミスからゴールマウスを空けてしまったが、ペナルティーエリア内でのこぼれ球をダイレクトで打ったペレスが枠を外してしまい、チャンスを逸した。

 3分後にはクロアチアにもビッグチャンスが訪れる。右サイドからのクロスをファーサイドから飛び込んだFWマンジュキッチがフリーでヘディングシュートを放ったが、こちらも枠をとらえられなかった。ロスタイムにはモドリッチがセンターラインの右サイドから絶妙なスルーパスを出したが、FWレビッチの右足シュートは枠の上を越えていった。

 両チーム決定的なチャンスを作りながらも得点を奪えず、前半は0-0で終了。ともに球際に激しく、気持ちの入った前半戦。初戦に続き観戦に訪れたアルゼンチンの英雄マラドーナも上機嫌だった。初戦でPKを外したメッシはシュート0本だった。

 後半8分に信じられないミスでクロアチアが先制する。相手GKカバジェロが何でもないバックパスをキックミス。プレスをかけていたレビッチがこのボールを右足ボレーで決めた。

 1点を追うアルゼンチンは後半9分にFWアグエロに代えてFWイグアインを投入した。2分後にDFサルビオに代えてMFパボンを入れて、メッシをトップ下に置く4-2-3-1の布陣に変更した。後半18分に、イグアインのマイナスクロスを、メサがペナルティーエリア内で左足ダイレクトも相手GKの正面でまたしても決定機を決められず、マラドーナも目を覆った。後半23分には早くも3枚目の交代カードを切る。24歳の若き天才FWディバラを投入。トップ下に配置し、メッシを右サイドに置いた。

 ディバラはピッチに出てから3分後、さっそくシュートまで持ち込む。ペナルティーエリア内右から得意の左足でファーサイドへのシュートを狙ったが枠の上を通過した。

 後半31分に、クロアチアのMFラキティッチがピッチ内で倒れ、チームメートがプレーを止めるように呼びかけたが、主審は笛を吹かず。アルゼンチンはプレーを続行したことにより、両チームが激しく言い合い、ひと悶着が起きた。

 後半35分、得点を決めたのはクロアチアだった。主将のモドリッチが、ペナルティーエリアの外から右足ミドルシュートを決めて、2試合連続得点を記録した。

 後半40分に再び、両チーム入り乱れる。負けていたこともありフラストレーションを貯めていたのか、アルゼンチンDFオタメンディが、ファウルを受けて倒れているクロアチアのラキティッチに対して至近距離からボールを蹴り、意図的に当てた。この行為にほとんどの選手が集まり、乱闘寸前に。ボールを当てたオタメンディはイエローカードを受けた。

 試合終了間際にクロアチアが、試合を決定づける3点目を挙げる。カウンターからラキティッチがゴールを決めて、アルゼンチンを絶望のふちに落とした。

 試合は3-0でクロアチアが大勝。2連勝のクロアチアは3位になった98年フランス大会以来の決勝トーナメント進出が決まった。

 一方のアルゼンチンは頼みのメッシがシュート1本で枠内シュートが0本に終わり、初戦に続きまたしても沈黙。後半だけで3失点と守備陣も崩壊し、1分け1敗となった。現地時間明日に行われるアイスランド-ナイジェリアの結果次第では自力での1次リーグ突破が消滅。02年日韓大会以来の1次リーグ敗退が現実味を帯びてきた。