スペイン2部テネリフェのMF柴崎岳(24)がようやくスペインデビューを果たした。ホームのレウス戦に0-1の後半29分から出場。守備的MFとしてプレーした。鹿島から移籍し、2月1日に入団会見したが、その後は胃の不調、現地への適応の遅れからチームへの合流に時間がかかった。限られた時間で効果的なプレーはできず、チームもそのまま敗れたが、スタンドからは期待の大歓声がわきあがった。

 得点につながるプレーこそできなかったが、柴崎は地元ファンを盛り上げた。ウオーミングアップを開始するだけで大歓声。ピッチに入った時、大きな声援と拍手を浴びた。1点を追う場面で、4-4-2の中盤底の左に入る。落ち着いてパスを散らした。移籍後1カ月半かかって、やっとデビューを迎えた。

 一時は「適応障害」の疑いも取りざたされが、徐々にチームになじみ、前戦ヘタフェ戦では故障者の関係もあって初のベンチ入り。続くこの日は途中出場と1歩ずつ進んでいる。ただ、スペインでどれだけ通用するか、判断するには時間も要素も足りなかった。

 試合後、本人は報道陣の前に姿を見せずじまい。マルティ監督は「もっと前めでプレーをして、ラストパスを出して欲しかった」と要求した。同時に地元紙サイト「ラ・オピニオン」では、この試合を受けて26日のカディス戦には台所事情から先発の可能性もあるとした。(山本孔一通信員)