タラゴナのDF鈴木大輔(27)は、バリャドリード戦に先発した。

 普段はセンターバックでプレーしているが、この日は3-4-1-2の右ウイングバックで出場。前半23分に相手選手と競り合いで頭を強打したこともあり、後半6分に退いた。

 慣れないポジションに苦労する場面もあったが、随所に体を張ったプレーも披露した。スペインへ移籍した昨年の3月20日、4-0で勝利したビルバオ2戦でデビューしてから1年がたち「自分がボールを奪われたとか関係なく、結果として『奪い返せばいいでしょ』みたいなずぶとさが身についている。相手が倒れていても『立てよ』ぐらいの感覚で今日は出来たので、そういう気持ちの面ではとても良かった」と成長を実感した。

 鈴木は今季リーグ戦31試合中、27試合に出場と、レギュラーとして活躍している。(山本孔一通信員)

 鈴木の一問一答は以下の通り

 -内容から言えば勝ったのが不思議なくらい。大きな勝利

 鈴木 割り切って守備をしていましたね。5バックで守って、2トップに戦える選手を置いてカウンターを狙う。攻撃のところでつなぐことができず、厳しい戦いだなと思っていた。ただ、自分に与えられた役割は守備的なところだと思うし、その辺を様子見ながら守備を意識してやるだけだった。負けたら厳しかったけど、この戦いで、アウェーで、貴重な勝ち点3を持って帰れたのは大きい。

 -今日のポジションをうまく消化出来ていない?

 鈴木 そうですね。割り切ってサイドバックくらいの感覚で守備のときはいいと思っていた。逆からクロスが上がってくる時はガンガン絞って、3人のセンターバックを助けることを意識した。攻撃のところでは、今日の戦いから言ってもなかなかボールがつながんなかったりしたし、どこに位置していいかは今後しっかりと考えないといけない部分だと思う。

 -相手も5バックで捕まえる相手がいなくて難しかった

 鈴木 サイドを使うのは相手(の戦術)にあったので、そこはうまく対応しないといけなかった。難しさを感じながらやっていたが、戦術的に割り切って、この対人のところではがっつりいくとか、3バックの脇を埋めたるとか、逆の(サイドから攻撃されている)時には絞ったりとか、相手のカウンターを警戒するとか、そういう点を割り切ってやった。

 -接触した頭は大丈夫か。その影響での交代か

 鈴木 大丈夫です。結構フラフラしましたけど。交代はイエローをもらっていたので、ちょっと後半の入りバチバチいっていたので、この審判はカードをすぐ出すと言われていたので、それを考えての交代だと思う。監督が自分に求めているのは守備だから、絞り込みとか、後ろに位置するとかは求められていたと思う。

 -今日のチームの内容はどうなのか

 鈴木 ここ最近のタラゴナは勝つだけでなく内容も伴っていて、自分たちが支配する展開をしていたが、今日は相手に支配されて重心が後ろになりながら勝ったという試合。ただ、内容が伴っていながら負けるより、この厳しい状況、アウェーでちゃんと勝ち点3を持ち帰れたことは大きい。内容が悪く悲観する面もあるけど、自分的にはポジティブに考えている。この勝利はチームが浮上するためのきっかけになると思っている。

 -前節負けているのでこの勝利は大きい

 鈴木 そうですね。前節負けていたしセグンダ(2部リーグ)は連敗すると、どんどん順位が落ちていくので、なんとしてでも勝ち点3を持ち帰るということは、このチームのキャラクターからいっても悲観することではない。『勝ったぞ』みたいな。そこは割り切っていいと思う。長いシーズンを戦えば、今日のような試合は絶対ある。前半戦は今日のような試合をずっと落としてきた。勝ちを拾えない試合が多かった。それをいい形ではないけど、勝ち点を拾えるようになったということはチームとして自信になるし、個人的にもでかい勝利だったと思う。

 -降格圏から抜け出て精神的に楽になったと思われる

 鈴木 前半戦足りていなかったのは今日のような試合だったと思う。ホームでは安定した戦い、良い試合をしていても負けることがあった。だから今日の勝利は浮上のきっかけになると思う。

 -前節の欠場については

 鈴木 普通に監督の決断ですね。ローテーションです。疲労がたまっているから。

 -負けた試合には出ていないからこそ鈴木選手の存在が大きくフォーカスされている

 鈴木 自分が出た時、システムや戦術にしっかりと合わせたプレーをやっていきたい。

 -今日の勝利は大きい

 大きかった。浮上のきっかけにしないといけないし、次、ホームで同じ試合をしたら問題。浮上のきっかけにしていきたい。

 -アギーレ前日本代表監督は鈴木選手を見ていると言っていたが、もう1人は…

 鈴木 まあ、そこはおいおい(笑)。こっちでいろんなポジションで試されているのは戦術的理解が高いと思われているからだと思っている。3バックの真ん中、右、ウイングバックをやったりする。(監督にしても信頼していなければ)ぶっつけ本番で簡単に任せられないと思う。もっともっと磨きをかけていきたいし、プレーの幅を広げたいし吸収していきたい。今日の試合はその意味で良かったかなと。

 -スペイン人と比較しても負けない大きな体になっているように見える

 鈴木 そういうふうに見せています。あんまりちっちゃくならないように、堂々とプレーをしようとしている。自分がミスするとか関係なく、自分勝手にやっている。そういったところが大きく見えたのかもしれない。

 -前半の対人でもそういうところが感じられた

 鈴木 そうすね。自分がボールを奪われたとか関係なく、結果として『奪い返せばいいでしょ』みたいなずぶとさが身についている。相手が倒れていても『立てよ』ぐらいの感覚で今日は出来たので、そういう気持ちの面ではとても良かった。