超名門スタンフォード大学を卒業した22歳の米国代表FWジョーダン・モリスが決勝点を決めて、母国を2大会ぶり6度目の優勝に導いた。

 「天才」が試合を決めた。米MLSにシアトル・サウンダーズに所属するモリスは1-1の後半43分、FWザーデスの右クロスがDFに当たり、こぼれ球が足元にくると、2人のDFが寄せてくる中、右足ダイレクトでゴール右隅に値千金弾となるゴールを決めた。この得点が今大会3得点目となり、デービス(カナダ)、パルセマン(マルティニーク)に並び大会得点王となった。

 スタンフォード大学に在籍していた19歳の時に、クリンスマン監督の目に留まり、14年8月28日のチェコ戦で初めてA代表に招集された。同年の11月18日のアイルランド戦に後半32分から途中出場し、A代表デビュー。この試合は無得点に終わったが、Aマッチ2試合目となった15年4月15日のメキシコ戦で先発すると、後半4分に悲願の代表初ゴールを挙げた。以降、A代表に定着し、通算22試合に出場して5得点をマークしている。

 9歳の時には1型糖尿病(Type 1 Diabetes)を発症した。右手の内側には、糖尿病を克服した証として「T1D」の入れ墨を入れているモリスは、決勝点のシュートを振り返り「緊張したね。できる限りのことをトライしたよ。ゴールを決めることができて、運が良かったね」と喜んだ。

 米国は18年ロシアW杯北中米カリブ海最終予選で、本大会ストレートインぎりぎりの3位。大陸間プレーオフに回る4位パナマとは勝ち点1差に迫られている。同予選は9月1日にホームのコスタリカ戦から再開する。同予選残り4試合。自身初のW杯出場に向けて“エリート”のモリスが過酷な予選に挑む。