MF長谷部誠、MF鎌田大地が所属するフランクフルトはアウェーでウォルフスブルクを3-1で下した。

 前半18分にFWハラーが豪快な右足シュートを決めて先制し、同22分にもFWウォルフの右クロスをDFチャンドラーが左足で決めて追加点を奪った。後半21分にFKを直接決められて1点差となったが、その1分後に相手FWディマタが2枚目のイエローカードで退場となって数的優位に立ち、同40分、FWヨビッチが決定的な3点目を決めて逃げきった。

 長谷部はキャプテンマークを巻き、5バックの中央で2試合連続フル出場。試合が中断した際には積極的に味方に声をかけ指示を出すなど、中心選手らしい振舞いも見られた。前半33分、ニアサイドに走るFWディマタへのグラウンダーのセンタリングをスライディングでクリアしピンチを未然に防いだが、後半9分にはビルドアップでミスパス。FWオリジにゴール前でシュートを打たれるなど、危ないシーンを迎える場面もあった。

 長谷部は「試合全体を見れば良いゲームができたが、後半少し落ちてしまった。(ディマタが)退場してなかったらちょっと分からなかった部分もある。90分通してコンスタントに良いゲームをするっていう課題は、まだあるのかなと思います」と試合を振り返った。今季初の3得点で、2点差での勝利も初となった。「前の選手がしっかり決めてくれた。かなり後ろとしてはラクでした」。

 1月でドイツ11年目となるが「『長い間いるな』っていう感覚はありますが、来た時よりも間違いなく、選手としても、1人の人間としても成長できてるかなと思う。特にフランクフルトに来てから一番ブンデスリーガでやれてるなっていう感覚がある。ウォルフスブルクの時は真ん中で出れる時もありましたけど、サイドで出る時が多かった。資金力もあって選手も来るし、良い選手がそろってたんで競争で勝てない時もやっぱりあった。ただフランクフルトに行って、真ん中のところで勝負して、しっかりとポジションを取れるようになった」と自らを分析した。さらに「ニコ(コバチ監督)になってからは、リベロという新しいポジションを彼が見つけてくれて、そこで自分の価値っていうのもさらに示せたんじゃないかなと思う。年齢的にこれからどうなるか分からないですけど、30を越えてまた新しい発見っていうのもやっぱりあるし、それはこれからも求めていきたいなと思います」と気合を入れた。

 鎌田はベンチ入りしなかった。

 フランクフルトは8勝6分け5敗の勝ち点30で7位。(鈴木智貴通信員)