ヘルタの日本代表FW原口元気(26)がドイツ2部デュッセルドルフに移籍することが23日、決まった。

 6月30日までの期限付きで背番号は25と両クラブから発表された。チーム関係者によると、6月のW杯ロシア大会に向けて、カテゴリーを問わず出場機会の確保を最優先。1部のブレーメンなどからも獲得の打診は届いていたが、今冬の移籍期限(31日午後6時=日本時間2月1日午前2時)を待つことなく決断し、公式サイトを通じて「できるだけ早くチームに慣れて貢献したい」と意欲を語った。

 キャリア初の2部クラブ行き。初のW杯出場へ“飼い殺し”と言われてもおかしくない状況から脱却する必要があった。ヘルタの主軸だった昨季途中、今年6月に切れる契約の延長を好条件で打診されたが、プレミアリーグ移籍を模索して辞退。交渉がまとまらず残留したものの、結果としてダルダイ監督の構想から外れることになり出場機会を失った。今季先発もわずか2試合にとどまっていた。

 元日、日本での冬季休暇を終えて成田空港から出国した際には「とにかく試合に出ることが一番。W杯に向けて一番いい準備になる決断をしたい」と移籍を示唆。後半戦も立場が変わらずベンチ外が続いたため、2部であれ試合に出られる環境を選択した。ヘルタの強化責任者プレーツ氏の「非常によい解決策。出場機会を得られるだろう」とのコメントは、W杯まで残り5カ月で出場時間を増やせるかが交渉の焦点だったことをうかがわせた。早ければ24日(日本時間25日)の本拠アウエ戦でベンチ入りする可能性があるという。

 14年W杯ブラジル大会メンバー落選を機に、浦和からドイツ挑戦。その古巣からも興味を示されたが、欧州しか頭になかった。4年計画で目指すロシアの地に立つため、日本代表ハリルホジッチ監督から懸念された出番減を解消。2部首位を走るデュッセルドルフでの昇格争いを通し、W杯で戦うための心身を鍛える。