国際サッカー連盟(FIFA)の17-18年シーズン表彰式がロンドンで行われ、男子最優秀選手はクロアチア代表MFルカ・モドリッチ(33=レアル・マドリード)が初受賞した。同代表では主将としてワールドカップ(W杯)ロシア大会準優勝、レアルでは欧州CL3連覇に貢献した。ポルトガル代表ロナウド、アルゼンチン代表メッシ以外の受賞は07年のブラジル代表カカ以来11年ぶり。各国代表チームの監督、主将の投票により選ばれた。

10シーズン続いたロナウドとメッシの牙城を崩したのは、同世代のモドリッチだった。「彼ら2人だけでなく、世界中に素晴らしい選手が多くいる中、受賞できて誇らしい」。ゴールを量産する2人ほどの華やかさはないが、技術に裏打ちされた効果的なパスやボールキープは玄人好み。レアルではロナウドらスター軍団を操って好機を演出し、172センチ、66キロながらW杯では豊富な運動量や泥臭い守備でも魅了した。

「この賞は自分だけでなく、Rマドリードとクロアチア代表のチームメートのものでもある。彼らがいなければ受賞できなかったので感謝したい」。喜びの言葉に謙虚さがにじむ。個よりもチームを優先、周りを生かすプレーぶりが結果的に個人賞につながった。

各国代表主将の投票ではメッシは1位で、ロナウドは2位でモドリッチを入れるなど、両者からも“お墨付き”。日本代表で投票した森保監督、長谷部も1位としている。

普段はFW陣のゴールのお膳立てをする黒子役が、W杯最優秀選手、欧州年間最優秀選手に続く栄誉を手にし「努力が報われた」。小国のヒーローがようやく主役の座に就いた。