開幕から7戦6発でセリエA得点ランクトップに並び立つACミランの日本代表FW本田圭佑(28)について、獲得に当たったクラブ幹部のウンベルト・ガンディーニ氏が、21日、クラブ公式番組「ミランチャンネル」内でインタビューに答えた。同氏は、本田の今季の進化について次のように語った。

 

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 (本田がよみがえった)理由は、彼自身の適性能力にある。ミランは獲得のために何カ月も費やした。本田は昨年夏の移籍でミランに来ることを望んでいたが、いろいろな理由で実現せず、CSKAモスクワとの契約で、がんじがらめにされた状態となった。

 その契約が切れ2013年12月に日本に戻り、1月の初めにミラノへとやって来た。昨シーズンは監督が何度も交代しポジションも明確にならなかった。そんな中で、自分のプレーに誰よりも満足していなかった。フィジカル、性格、戦術、言葉、すべての面で困難な局面を迎えていた。

 我々が彼のために唯一できることは、落ち着いた環境の中に身を置かせることだった。W杯で日本は早いうちに敗退し彼は休むことができた。イタリア語を真剣に勉強し、アメリカ遠征から、チームにこれまでとはまったく異なった感じで合流した。アメリカで何かが起きたのだろう。ピッポ(インザギ監督)はケイスケのことをよく知ることができたし、チームメートも彼のことを信頼しはじめた。

 以前は英語を少し話すだけだった。誰も日本語は理解できないし、環境に入り込むのは難しかった。彼自身も非常に苦しんでいた。今は、できるだけイタリア語を話そうとしているし、チームの中に自ら入り込もうとしている。今の本田こそが、我々がしばらくの間モニターした末に、獲得したいと考えていた選手そのものだ。

 彼の性格は他の日本人よりも閉鎖的だ。それに、とても内気だ。しかしイタリアのメンタリティーに完全に入り込まなければならないことを理解したのだろう。チームメートとの関係をみても、とても努力している。それによって、すべてがうまくいくようになっている。

 問題の一番大きな部分は言葉だったが、ピッチでのポジションも乗り越えなければならないものだった。チェゼーナ戦でザッケローニと会った。彼は、本田はもっとゴールに近い場所にいなければならないと言っていた。その言葉からも学んでいるのだと思う。事実、ここのところそのようにゴール前にいるようになっている。

 今はチームの基盤となり、みんなの信頼を得ている。現在の本田の姿は、彼自身の努力のたまものだ。彼は環境に慣れ、自らを変えなければならないことを理解したのだろう。今ではアバテと一緒に我々の強力な右サイドとなっている」