【ゲルゼルキルヘン(ドイツ)=栗田成芳】シャルケDF内田篤人(24)が、海外3年目の胸中を語った。3日(日本時間4日)の欧州チャンピオンズリーグ(CL)モンペリエ戦では今季初出場を果たし、勝利こそ逃したがフル出場。日本代表としては出場停止のため遠ざかっていた夏場をプラスにとらえ、ブンデスリーガでも移籍3年目にして初めて開幕戦に先発した。代表も7日から始まる欧州遠征メンバーで復帰。3年目で心得た成功法を明かした。

 お気に入りのパスタを食べながら内田は話し始めた。6月のW杯最終予選で警告を受け、チーム始動とともに過ごし迎えた今季。ブンデス開幕戦では移籍3年目にして初めて先発。ここまで出場した公式戦5試合はすべてフル出場で負けなし。代表からクラブへ頭を切り替え、じっくりとシーズンに入った内田には今、負けない強さがある。

 内田

 今までキャンプをしっかりしたことがなかった。キャンプはごまかせないからね。監督がしっかりと自分のプレーを見てくれて、話す機会も増えた。開幕が自分の中で1つのポイントだった。代表には行かないと思っていたから。

 自身のプレーを理解させ、チームの歯車になる。日本代表から遠ざかったことで、自らを見つめ直した。体格差で劣る海外で、DFとしてするべきことは何か。それは内田にとって攻撃ではなく守備にあった。

 内田

 外国人はでかいから飛び込んでも届く。足が伸びる。おれはできない。届かないもん。だから自分のプレースタイルに合った守り方でいいと思う。まねる必要はない。そう思ったね。自分が出たときに失点しなければ「自分のやり方でいいじゃん」って思う。

 3日の欧州CLモンペリエ戦では相手に対してうかつに飛び込まず、間合いを詰めたところでカット。そしてときには、電光石火のインターセプト。“内田らしい”守備を披露し、ほとんどの場面で封じていた。それだけに悔やまれる失点シーン。試合後には自ら話題に挙げ「あれを止めないといけない」と語ったのは理由があった。

 内田

 こっちの人はミスした人にカメラを向ける。それでしゃべる。すごいなって思う。日本とは違う。できなかったことを突き詰める。取材の場で言っていかないといけない。

 4カ月ぶりの代表復帰。特盛りパスタをたいらげると、さらにおかわりして言った。「自分の道で生きていくしかない」。大きくなったのは胃袋だけではない。【栗田成芳】