スイスの強豪バーゼルが、C大阪の日本代表FW柿谷曜一朗(24)の獲得に興味を持っていることが13日、分かった。関係者によると、同クラブのスポーツディレクターとスカウト責任者が12日のヤンマースタジアム長居のG大阪との大阪ダービーを視察。同一クラブから複数のスタッフが視察に訪れるのは異例で、スタンドから柿谷に熱視線を送っていたという。

 現地報道によると、バーゼルは12年にも柿谷の獲得を目指していた。鹿島の元日本代表DF中田も06年から2年間所属しており、現在スイス1部リーグ首位。来季の欧州CL出場権をほぼ手中に収めている。

 柿谷はC大阪との契約を今季末まで残しており、これまで「今年こそリーグ優勝したい。ACLも出場する限り優勝を目指したい」と話している。昨オフにはイタリアのフィオレンティナから獲得オファーが届いたが「C大阪からW杯に出たい」という強い思いで残留を決意した。

 今季はここまでリーグ戦では無得点だが、ACLでは3得点。リーグ3位となる21得点を挙げた昨年の成績はすでに欧州スカウト陣の間では高く評価されている。これまでもドイツのドルトムントやスペインのセビリア、ヘタフェなど欧州各国1部のクラブが獲得に興味を示してきた。

 さらにW杯で活躍すれば、欧州各クラブが今夏、柿谷の獲得に乗り出し、争奪戦を繰り広げるのは必至。現在はC大阪でのプレーに集中しているが、今後の動向に注目が集まる。

 ◆FCバーゼル

 スイス北西部の街バーゼルを本拠地として、1893年に設立。リーグ優勝15回、カップ戦優勝11回を誇るスイスの名門クラブ。現在リーグ4連覇中。11-12年には欧州CLで16強に進出した。12-13年には欧州L4強。ムラト・ヤキン監督。ホームスタジアムはザンクト・ヤコブ・パルク。