[ 2014年2月15日9時22分

 紙面から ]男子フリー

 演技を披露する町田(撮影・井上学)<ソチ五輪:フィギュアスケート>◇14日◇男子フリー

 5位に終わったフィギュアスケートの町田樹(23)が、来季限りで第一線から退く見通しであることが分かった。現在は関大文学部4年生で卒業見込みの15年春を区切りに世界選手権などの競技者としてはリンクを離れる。

 町田は大阪・高石市内で大西コーチの指導を受けて、41種類の図形を氷上に描くSPの原型種目「規定」にトライ中。すでに種目自体が消滅しており、あくまでスケート技術のアップを目的として21種類程度を習得。全種類マスターすることを目標としており、大西コーチには「来年もお願いします」と話している。一方でソチには卒業論文の参考文献を持参。卒論テーマは「芸術とフィギュアスケートに関連したものですね」。哲学を好む23歳は芸術とフィギュアの融合をテーマに今秋から現役ラストシーズンに向かう形だ。

 昨春、練習拠点だった米国から大阪に戻る際、母弥生さん(44)からは「スケートを頑張るなら大学をやめてもいい」と提案されたが、「大学はちゃんと卒業するから」と約束した。初の五輪出場が決まった昨年末も、中国語の単位取得に燃えるなど学業との両立に励んでいる。「氷上の哲学者」は来春、新しいフィールドに飛び出す。