全日本実業団対抗女子駅伝の出場選手には、20年東京五輪のマラソン代表選考会、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場を目指して初マラソン挑戦を予定しているランナーが多い。

 世界陸上1万メートル10位の鈴木亜由子(26=日本郵政グループ)は、東京オリンピックをマラソンで狙うかどうかを決めるために、早ければ来年3月に、遅くとも来冬中には一度マラソンを走る予定だ。今年の日本選手権1万メートル優勝の松田瑞生(22=ダイハツ)は1月に地元の大阪国際女子で初マラソンを予定している。また15年北京世界陸上5000メートル代表だった鷲見梓沙(21=ユニバーサルエンターテインメント)も、3月に地元の名古屋ウィメンズで初マラソンを走る。

 一方、マラソンで日本代表を経験している選手もMGCに向けて大会出場を予定している。15年北京世界陸上代表の前田彩里(26=ダイハツ)は、名古屋ウィメンズが3年ぶりのマラソン復帰戦となる。故障で2年のブランクがあったが、10月のプリンセス駅伝では5区区間賞も獲得した。一時はリオ五輪代表最有力候補だっただけに、東京五輪への思いは強い。

 12年まで4大会連続五輪代表を輩出した天満屋勢は、大阪国際女子に小原怜(27)と前田穂南(21)が出場予定。前田は今夏の北海道マラソンでMGC出場権を得たが、さらなるタイム短縮を目指す。またロンドン世界陸上代表だった重友梨佐(30)は、駅伝の走りでマラソンへの出場を判断する予定となっている。

 大阪国際女子には前回2位の堀江美里(30=ノーリツ)、名古屋で日本人4位の石井寿美(22=ヤマダ電機)も出場を予定している。名古屋ウィメンズには前回日本人3位の桑原彩(24=積水化学)のほか、藤本彩夏(20=京セラ)加藤岬(26=九電工)竹地志帆(27=ヤマダ電機)らが出場予定だ。

 駅伝ではスピード感あふれる走りでタスキをつないだ女子ランナーたちが一転、マラソンで粘りの走りに挑戦する。