あなたの街のプロゴルファー、タケ小山（５２）がお届けする毎週火曜日の「タケ小山のゴルフ即効薬～今週の処方箋」は、スコアメークの肝心かなめ、パッティングからスタートです。「パッティングならプロに負けない！？　ジョーダンじゃありあせん！」。

	アマチュアゴルファーによくありがちな「症状」
□	「パットならプロに勝てる」と豪語する
□	インパクト時にスイングを減速させて距離を調節
□	「パターには芯がない」と思っている

芯の両側をテープで巻いて打ってみよう。芯に当たったかどうか、すぐに分かるようになりますよ

　最初からガツンとみなさんにくぎを刺しますよ！　まさか「パッティングだったらプロに勝てる」なんて思っちゃってませんよね？　よくいるんですよ。本当にそう思いこんで口にしているアマチュアの方が。長い距離のショットに比べ、グリーン上だけが勝負のパッティングは一見、易しそうに映るかもしれません。でも、これほど、プロとアマチュアの差が出るものもないんですよ。

　ハッキリ一言、言わせていただきましょう。プロとアマチュアの一番大きな差は、パッティングにあるのです。グリーンに乗ってから、アマチュアゴルファーの場合、１ホールで３６パットから４２～４３パットしてるはずです。プロだと６０台が出た時には２５～２６パット。スコアが伸びずにイーブンパーの日でも、３２パットくらい。多くても３３～３４パットくらいで止まってるはずです。グリーン上だけでこんなに数字が違うんですね。

　何が違うんでしょうか？　答えは簡単。プロは毎回、芯を外さずに打っているからです。アマチュアの方はフェースの右に左にセンターにとボールがバラバラに当たっているからです。

芯に当たれば、回転の良い転がりになる

　パターの芯？　と首をかしげた方、重症ですね。お薬多めに処方しないといけませんかね。芯、つまりスイートスポットがあるのはドライバーだけじゃないんですよ。芯で打つことでボールはしっかり効率よく飛ぶ。つまり大きなバックスイングがいらないからブレがなくなり、正確なパッティングができるようになるということです。

　試しに自分のパッティングを動画で撮影して見てください。一般的にアマチュアは、インパクトで調整して打とうとする傾向にあります。バックスイングは大きく、減速しながらインパクトを迎える。これ、絶対やっちゃダメなんですね。

　これから何度も私のレッスンに出てくると思いますが、ゴルフにおいてパッティングも含めてインパクト前に減速するということはありえないのです。クラブヘッドは必ず加速しながらインパクトを迎える。英語で加速する、速くなるという意味のアクセルレート（ａｃｃｅｌｅｒａｔｅ）という言葉、レッスンを通してのキーワードです。よく覚えておいてくださいね。

　距離感は振り幅と、スイング（パットの場合はストローク）の最初からのスピードで調整します。フェース面がブレやすくなるということは、ボールにサイドスピンがかかるということでもあります。パッティングに限ったことではありませんが、サイドスピンがかかるとボールは右に左にと曲がります。パッティングでそうなってしまったら、狙ったところになど打てません。よ～く覚えておいてください。

　◆タケ小山（こやま）本名小山武明。１９６４年（昭３９）７月７日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して８９年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。０７年に帰国し、日本ツアーに参戦。０８年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。ＴＢＳ系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。ＩｎｔｅｒＦＭの「Ｇｒｅｅｎ　Ｊａｃｋｅｔ」（土曜午前５～８時）、文化放送の「Ｔｈｅ　Ｎｅｗｓ　Ｍａｓｔｅｒｓ　ＴＯＫＹＯ」（月～金曜午前７～９時）などに出演。

　◆ザ・インペリアルカントリークラブ　茨城県稲敷市にあるゴルフ場。フラットなアメリカンスタイルを満喫できる。フェアウエーが広いため気持ち良くティーショットを打てるが、大小１００カ所以上のバンカーがプレッシャーを与えている。ＧＰＳ付き乗用カートでのプレーは爽快感を持って楽しめる。練習施設「インペリアルゴルフガーデン」を併設。電話０２９・８９２・１１７７。