キム・ハヌル(28=HITE JINRO、韓国)が鈴木愛(22)とのプレーオフを制し、今季初優勝でツアー通算4勝目を挙げた。

 1打リードで迎えた17番でバーディーパットが2・5メートルもオーバー。鈴木は1メートル強のバーディーチャンスにつけており「鈴木選手がバーディーを取れば逆転されるし(18番の1ホールでは)追いつけないだろうなと思った」と負けを覚悟した。鈴木のバーディーパットがわずかに左を抜け、通算7アンダーで並んでプレーオフに突入。

 記憶をよぎったのは、1メートルを外して敗れた昨年大会のプレーオフだった。「2年連続で負けるわけにはいかない。去年は緊張して手が震えたけど、その経験がいい方向に転がった」。悔しすぎる経験がハートを強くした。鈴木が4メートルを外した後、正規18番で外したバーディートライとほぼ同じラインの3メートルをねじ込み、歓喜を爆発させた。

 一昨年1勝、昨年2勝。今季の目標に過去2年を上回るシーズン3勝と昨年4位を上回る賞金ランク3位を掲げる。「日本のコースは練習環境がいいから上達できる。ティーショットの正確性が高まったし、日本選手のショートゲームのうまさを見て、学ぶことがたくさんある」と進化の秘訣(ひけつ)を語る。リベンジを達成した「スマイルクイーン」は、17年にさらなる飛躍を遂げそうだ。